鬼さんこちら、手のなる方へ。

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翌朝。





いつもゴミ出しの時に会うはずの裕太君がいない。
水曜日は必ず会って
少しだけお話しするんだけどな〜。


少し寂しい気持ちを持ちながら
会社へと出勤した。







駅から徒歩10分かかる道を
早足で歩いてたら。







目の前にパトカーが止まり
助手席の窓が開いた。








「よ、」








見れば、警官の姿をした宏光で。







「……宏光っ？」


「おはよ、」


「あ、パトロール？」


「そうそう。
お前も最近物騒だから気を付けろよ。」









前のこと。

何も触れずにいつものように接してくれるこの彼の優しさに
少しだけ胸がズキズキって痛む。



優しいその表情と瞳に思わず、







「今日…っ、空いてる？」


「……今日？」






まさか私の口からそんなこと言われると思ってなかったのか
少しだけ驚いた顔の宏光。








「そう。
ちょっと話したくて、


…時間があればいでいいの。」


「うん、いいよ。」


「ありがとう。」


「じゃあ今日お前んち行くわ」


「分かった。」


「じゃあ頑張れよ！」









ニコって柔らかく白い歯を見せて笑った。



この前私がムキになって怒っちゃったこと、
ちゃんと謝んなきゃ。

いくらなんでもやりすぎたし
私だって反省ばっかしすぎて
ここんとこ宏光に連絡しようか迷ってたけど
出来なくていつも向こうから来るのを待ってたんだよね。




仕事で忙しいから来るはずないのにさ。

わけのわからない口実を
頭の中で組み立てては
自分で納得してたって言う部分もあるから、

つくづく私最低だなって改めて思う時が
幾度となくやってくるんだよね。









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