鬼さんこちら、手のなる方へ。

37 ページ37

・









会社では
徐々に藤ヶ谷君は業績を上げていき
先輩と並ぶくらいの技術にまで成長した。









「仕事楽し？」




立ち食いそばを食べながら
隣に居る藤ヶ谷君にそう言う。




「え、なんですか急に(笑)」


「いや〜なんか本当に今の仕事好きなら
ここまで先輩に追いつくなんて、滅多にないからさー」


「仕事かー…。

好きでも嫌いでもないです。
仕事は仕事なんで(笑)」


「さすが〜、言うこと違うね〜」


「やめてください(笑)

あ、俺トイレ行ってきます！」


「はいよ〜」





水を飲み干そうとコップを持った時、
お店に置いてあるテレビの音が店内に響いた。






「速報です。
先日あった藁人形を被害者が咥えていた時のカウント連続殺人事件。
警察によると防犯カメラに写っている容疑者は、
やはりお面を被っていたそうですが、
被害者を殺す際、ナイフではなく持ち手の部分が白いカッターであったことが分かりました。
これを手掛かりに、警察は調査を進めている模様です。

中継です。谷端さーん」







さすがに7人目はやばいよな〜
死刑どころじゃねぇぞ、

って、店員２人が腕を組みながら話している。






まぁ確かに。
なんて私も謎の相槌を打っていると

小走りで藤ヶ谷君が戻ってきた。





「じゃあ会社戻ろっか？」


「はい！」









・

38→←36

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す