鬼さんこちら、手のなる方へ。

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あれから宏光からの連絡は来ない。
きっとあの事件で忙しいのかもしれない。


だから私も、
迷惑かけたくなくて落ち着いたときにでも
もう一度ちゃんと会って話そうって思った。







藤ヶ谷君も特に変わった行動はなくて…
いつも通り仕事をしている。

あの言葉も、
色々と不思議に思うことだらけだけど
聞けるって感じでもなくて、私も敢えて触れはしなかった。









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ただここんとこ。



「最近なんかAさん元気ない。」




しょぼんとした顔で
毎日のように会えば必ず裕太君にそう言われるの。



そんなことないよ？って言っても
嘘つけ、の一点張り。

まぁ言ってること当たってるから
上手く私も否定できなくて
裕太君の癒しをもらい続けていた。









＜「今日早く帰る？」


「なんで？」＞


＜「この前Aさんに教えてもらったカレー。
特訓してかなり美味しく出来るようになったんだ。
だから食べに来てよ！」




にっこりした嬉しそうなスタンプと共に
裕太君の笑顔がじんわりと文面に浮かび上がってくる(笑)





「分かった！
じゃあまた連絡するね」＞









裕太君って、意外と鋭いとこあって
あまり人が気付かないようなとこ
発見するんだよな〜…。


そういうとこが写真家に向いてたりするのかな？







彼に会える。
そう思っただけで仕事を頑張れた。


なぜか弾む気持ちに高鳴る鼓動。

"早く会いたい"って。
裕太君の顔思い出しただけでも
笑みがこぼれた。









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