検索窓
今日:14 hit、昨日:31 hit、合計:220,794 hit

31 ページ31











「・・・・・・ごめんっ」






変な緊張感が部屋に漂っていることを察しながら
若干震えている手で割れたコップを一つずつ丁寧に拾う。






リビングから
藤ヶ谷君の声が聞こえた。






「知ってます?
人って腹が立ったらまず何より相手に怒りをぶつけるんです。
自分が悪くても
溜まっているものの行き場所を作るために。



俺もそうだったもんな〜。
全く関係ない人のこと………





肝心なとこ、
上手く聞こえなくて。



私はコップを拾う振りしながら
台所で藤ヶ谷君の話を聞いていた。








俺もそうだった、って。。。
どういうこと。


たまにみえる彼の闇が
凄く深くて、怖くて…。



なんか、いたたまれない気持ちになった。









「あ、雨だ」





予報の外れた天気。

小雨から大粒の雨へと変わって行き
もう帰ろうかな、って。

そう彼が呟く。



















「桜田さんは、
雨好きですか?」


「雨?
好き・・・ではないかな(笑)」


「雨って、なんか気分をどんよりさせますよね(笑)
傘差さなきゃだし、濡れるし。

でも俺は好きなんだよなー。」


「そうなの?」


「はい、意外と(笑)

あ、じゃあお大事になさってくださいね。」


「うん。
今日は本当にありがとうね。明日は必ず行くから。」


「長谷川さんも、もう普通なんで
大丈夫ですよ」


「分かった。ありがとう。」









律儀で、優しくて、人想いで、

でもそれの裏に。
彼の何かが絶対にある。


そう。今日確信した気がした。









32→←30



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (300 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
604人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まい(プロフ) - 涼風さん» いえいえそんな!!! 私の理解が間違っていたのかな、と、ただ単純に疑問だったもので(^^; (2017年2月19日 12時) (レス) id: c0cbd85b83 (このIDを非表示/違反報告)
涼風(プロフ) - まいさん» 本当ですね…(・□・;)わざわざコメントありがとうございます。私としたことが……。申し訳ないです。編集しときました。 (2017年2月19日 12時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 41話→40話の間違いでした^^; (2017年2月19日 10時) (レス) id: c0cbd85b83 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - こんにちは!いつも読ませてもらっています。34話での裕太くんとのやりとりは、LINEではないんですか?41話で、「LINE交換していない」とあって、疑問に思ったもので… (2017年2月19日 10時) (レス) id: c0cbd85b83 (このIDを非表示/違反報告)
涼風(プロフ) - ミカさん» 今回みんなキャラが個性的なので少し難しいって言うのは一理あったりします(笑)私が伝えたいのが上手く皆さんに伝わってればいいのですが、作者側になると本当に分からないですよね〜…。 (2017年2月11日 0時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:涼風 | 作成日時:2017年1月9日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。