鬼さんこちら、手のなる方へ。

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ちょこんと座る藤ヶ谷君。

特に話すこともないし
沈黙は私が絶えれなかったからテレビを付けた。







「あ、プリン食べる？
さっき買ったんだけど、」


「大丈夫です」


「じゃあ私ご飯食べてないから…いいかな？
私だけ食べちゃう感じになるけど。」


「あ、全然…っ
気にしないでください」


「ありがとうー」





特にお互い、
あの日の手土産のことを触れるわけでもなく

今日、何の仕事をしたのかとか
そんな真面目な話ばっかしてた。








「「えー、次のニュースです。
今相次いでいるカウント連続殺人事件。
未だ犯人の確保が困難となっております。

先ほど速報でお知らせ致しましたものをもう一度読み上げます。
今日未明、またも都内でカウント連続殺人事件がありました。
遺体は数か所何発か殴られた跡とナイフで刺された傷があった様子です。
その隣には7と書かれてあり被害者の口には藁人形が咥えられていたそうです。
果たしてこれは一体何を意味しているのでしょうか。

皆さんも夜など歩くときは
一人になることを避け周りを警戒致しましょう。」」






まただ・・・。


お茶を入れていると、
リビングの方から落ち着きのないアナウンサーの声が聞こえた。




「最近この殺人事件多いよねー。」




じーっと見ていた藤ヶ谷君にそう言うと
ですねーって答える。





「何か訴えたいのかな？世間の人に。
犯人どんな人なんだろう。」




適当な返答に対して、
藤ヶ谷君はあの時と同じ瞳で







「でも分かるかもしれません。」






って、感情のないような声でそう言った。






「え、」


「何かを伝えたい時
こうやって派手な行動をして気付かせるって。」


「・・・いやでも殺人はいくらなんでも(笑)」









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「俺も似たような経験あるんですよねー昔。
こうやって、周りのものを少しずつ切り落としていって
気付いてもらう…的な(笑)」









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一気に静かになった部屋に、
藤ヶ谷君の低い声が響き渡る。





なんか。。。
目が笑ってなくて、
凄く不気味だった。








…………ッガシャンｯｯ！






怖くて…
手を緩ませたせいで持っていたコップを割ってしまった。









何なの・・・


何なのこの感じ・・・







気味が悪い。。。。









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