鬼さんこちら、手のなる方へ。

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「なんでそういうこと言うんだよ〜(笑)！」









私と違う空気が宏光の言葉によってぶつかり合い
自分の何かに火が付いた。








「だってあの時(笑)…


「・・・いいって言ってんじゃん。」


「え？」


「もういいじゃんって言ってるの！」


「どうしたんだよいきなりさ(笑)」


「そういうとこ。宏光の。
無神経で人の心ずけずけ入ってきて。

何なの、急に来たと思えば昔の話持ち込んできて。
その話をしたいが為に来たわけ？」








仕事で疲れていたからなのか、
こんな下らない私のストレスを今宏光にぶつけている。


宏光は何も悪くないのに。





「別に違うけどさ…


「・・・ごめん。
もう。帰ってくれないかな。」





違う。
帰らせたくて言ってるわけじゃない。



これ以上一緒にいると、
絶対宏光に嫌な思いさせちゃう。





「お前何かあったのか、」




優しさで、彼はこう言ってくれているのに。
私素直になれなくて、





「大丈夫だから。」


そう可愛くもない発言をして。



私はじゃあねの一言も言えずに
宏光は、家から出て行ってしまった。









・









私・・・。
もう何がしたいんだろう。








力を入れると、ぽろっと涙が落ちてきそうで
不意に頭に過ったのは









あの優しい笑顔の裕太君だった。









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癒されたい。

あのふわふわな髪の毛に、
あの大きな手に、
触れたい。






なぜだか自分でもわからなかったけど
不覚にもそう思った。









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