鬼さんこちら、手のなる方へ。

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自分の家みたいにくつろぐ宏光。

買ってきたであろうケーキを二つテーブルに置いて
食べる？ってコートを脱ぐ私に聞いた。






「あ〜うん、ありがとう」




甘い物好きじゃないけど
今の私の体内にそういうの入れないとどうにかなっちゃう気がした。





さりげなく私の大好きなチーズケーキを
この人は何も言わずにおいてくれるところ
本当昔から変わってない。



それにチーズケーキは
そこまで甘くないし。









「宏光にしてはオシャレなとこで買ったね。」


「失礼なこと言うな(笑)
もう俺は大人なんだしケーキくらいオシャレなとこで買える」


「そーですか(笑)」




テレビもつけず、
ただ黙ってケーキを頬張る。


美味しくて、ひたすらそれに夢中で。
今日あったことも全部忘れそうだった。









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「小さな箱に大きなものを詰め込みたい。」






静かな空気に
宏光の少し掠れた声が響く。







「懐かしいだろ。」


「何急に…(笑)」


「お前が言ってたこと思い出して。」


「もう昔のこと。
そんなの忘れましたー、しかもなんで今そういうこと言うの？(笑)」


「そういえば、って思って。」


「・・・」


「やっとわかったよ。
この言葉の意味が。」







今思い出されても困る。





もう、5、6年前の話だし
今更。。。









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「いいよ、わかんなくても」_____________









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あの時のことは、

私も宏光も、封印してたはずでしょ。









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