鬼さんこちら、手のなる方へ。

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帰りの電車
一通のメールが届いた。




それは仲のいい社員から。






＜「今日あったこと、あまり引きずらないほうがいいよ。」



どこで知ったのかわからないけど
今はその励ましのメールが少しため息が出る原因になってしまう。




「ありがとう。」＞


＜「まぁでもAからきな粉にしようって言ったんでしょ？
なんで藤ヶ谷君止めなかったかな〜。」



え、・・・？




「どういうこと？」＞


＜「あの子知ってるはずだよ？
事前にリサーチして社長のアレルギーは大豆だって
メモにしっかり書いてあったもん。」







え、




知ってたの・・・？








また脳裏によぎるあの会話。





『俺、きな粉好きなんですよね〜』

『きな粉多めに持っていきません？』





まさか。(笑)

わざとなわけ・・・

＜「それにさ、私おかしいって思ったのは
今日初めてその会社に行くってこと聞いたはずなのに
前もって調べてること。

長谷川さんさ、贔屓とかしないタイプだから
藤ヶ谷君にだけっておかしくない？」









だって・・・

どういう関係？


もしわざとだとしても
恨みで仕込んだとか、有り得る？









「ごめん、ちょっと頭痛いから寝るね。」＞









有り得ない。






そんなこと。
絶対に。









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