鬼さんこちら、手のなる方へ。

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「桜田と藤ヶ谷には今日、
この会社に契約を結ぶための話をしに行ってほしい。」






会議で
長谷川さんにそう頼まれた。









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「あれねただ単に自分が行きたくないだけだよ(笑)」



前に言ってた。
俺、あそこの社長好きじゃないんだよな〜、って。



「え、そうなんですか？(笑)」


「うん(笑)
合わないらしい。」


「へ〜(笑)」





白く砕かれた粉って
確かに危ない感じだけど、まさか藤ヶ谷君が
そんなものを飲むはずがない。


絶対、とは言い切れないし
最近知り合ったばっかだけど
社会人になってから人を見る目だけは超えてきた…と思う。







「なんか手土産とか持ってこうか？」


「あ〜いいですね！」


「何がいいかな？」


「おはぎ！」


「おはぎ？(笑)」


「そこの会社、結構皆さん大人な方多いじゃないですか。」


「あ、調べたの？」


「一応、その会社のサイトで(笑)」



真面目だな〜(笑)
若いのに尊敬するよ。




「でも・・・

その会社に行けって、
私今日初めて聞いたんだけど
藤ヶ谷君知ってたんだね！」


「……っ、・・・まぁ(笑)」


「おはぎね〜、いいかも。」


「俺、きな粉好きなんですよね〜」


「あ、そうなの？」


「きな粉多めに持っていきません？」


「いいよ！」









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