僕は何者にも囚われない雲に…僕は雲雀恭弥成り代わり (ページ40)

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第８３話(訂正済み) ページ40

「A姉⋯ッ、A姉起きて⋯⋯!!」
「っ、誰⋯⋯?」

肩を揺すられ薄らと目を開くと大粒の涙を目に浮かべた少年ーー⋯ランキングフゥ太が居た。

「A姉!!」
「⋯っ、君は⋯⋯沢田綱吉の所の⋯?」

何故僕の本名を知っている?
疑問に思ったが、恐らくランキングした時本名が出て書き直してくれたのだろう。じゃないと僕がAと分かった時骸は⋯自惚れじゃなければだけど僕に手が出せないと思うから。

「ごめんなさい⋯っ!!」
「どうして君が謝るの」
「僕が骸さんに⋯渡さなきゃっ、A姉がボロボロにならなかったっ!!」
「君のせいじゃない。僕が弱かっただけ、今度は負けないし負ける気もない」

と言うと、フゥ太は蓋が外れた様に涙を流す。
裏社会に居ると言えどこの子はまだ子供なのだ。いきなり誘拐紛いで連れてこられて、その上自身が敬愛し兄代わりである沢田綱吉を炙り出す為に利用された。フゥ太にとってそれは沢田綱吉を裏切る行為だと罪悪感でいつも襲われていたのだろう。

「大丈夫⋯。君のせいじゃない」
「A姉ぇ⋯⋯!!」

ぎゅっと抱き着くフゥ太を受け止め、頭を撫でる。手当てされていても怪我を負ってるのには変わりはないので痛みに耐えながらフゥ太に寄り添う。

「っぐす、A姉⋯僕、助け呼んでくるっ!!A姉は僕のランキングでも良い人の分類だから!!」
「ワォ、僕の事ランキングしてたんだ」
「そうだよ!!それにランキングの星は総て見てるからね、本名も丸分かりで⋯あ、喧嘩ランキングのやつは悪用される前に書き換えたんだ」

閑話休題。
Aとフゥ太が束の間の休息を過ごしている頃、骸の方では三位狩りした柿本千種が目を覚ました。

「六道骸様⋯⋯」
「おや目を覚ましましたか?三位狩りは大変だったようですね、千種」
「⋯ボンゴレボスと接触しました」
「そのようですね。彼ら遊びに来てますよ。犬がやられました」

犬がやられたという言葉に千種はボロボロの身体のまま慌てて起き上がるが骸にやんわりと制されてしまう。

「そう慌てないで下さい。我々の援軍も到着しましたから」

ーー「僕も、君の事が好き……っ」

「っ、もうすぐ⋯もうすぐで⋯⋯」

自分の野望が達成した時、Aを迎えに行く。そう心に固く決めた骸。

Aもまた、それを止める為立ち上がる。