僕は何者にも囚われない雲に…僕は雲雀恭弥成り代わり (ページ38)

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第８１話(訂正済み) ページ38

ーー仕方が無い。
仕方が無かった、そう言えたら僕はどれ程良かったのか。ずっと、ずっと君の傍に居たかっただけなのに何処からすれ違ってしまったのだろう。

「…ゆ、め……?」

此処は何処だ?
硬い簡易ベッドの上に寝かされており、起き上がると身体に痛みが走る。

「A…!!」
「骸……?」

精神世界で見る姿とは違い、黒曜中の制服を身に纏う彼を見るのは初めてだ。かという僕の服も…あれ、このシャツ大き過ぎない?

「目が覚めたんですね。ーー顔、傷付けしまいすみません」
「顔なんて、別に…慣れてるから」

伊達に風紀委員長やってる訳じゃないし、喧嘩なんて慣れっこだ。

「…A、これはどういう事ですか?」
「……見たんだね」

真っ黒なおしゃぶりが骸の手の上に乗っていた。マモンチェーンはきっちり巻かれており、おしゃぶりの共鳴は起こらないだろう。

「アルコバレーノ、なんですか?」
「そうだと言ったら君は軽蔑するの」

ーー僕の呪いは短命。
それも力を使えば使う程削られていくが、短命には変わらないのだ。
そんな僕の言葉に、骸は一瞬だけ顔を歪めたが僕の腕を引き寄せ抱き締められる。

「軽蔑なんてする訳が無い。僕の気持ちを勝手に決めつけないで下さい」
「な、んで……?」
「お前だから好きになったんです。僕は君だから、Aだから好きになった。素直じゃなくて意地っ張りな所も引っ括めて好きなんです」

いつ死ぬか分からない僕を好きだと彼は言う。

「っ、ばっかじゃないの……?」

何で、なんで嬉しいなんて思ってるの。
また胸が痛い。

「馬鹿で結構です。A、返事聞かせて下さい」

「僕と同じ気持ちでしょう?」と言葉を続ける骸。雁字搦めにした心の鎖が解けていく気がして雲雀恭弥として生きてきた自分に少しだけ許されるのなら、言葉にする事を許してほしいーー…。

「僕も、君の事が好き……っ」

そういった時、唇に触れた熱。
ほんのり血の味がした優しいキスだった。

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ガッツリ話変わってませんこれ?!(オイ)