僕は何者にも囚われない雲に…僕は雲雀恭弥成り代わり (ページ30)

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第７４話(訂正済み) ページ30

日本に帰国して数日後、並盛で夏祭りが行われていた。僕はいつも通り“仕事中”だよ。

「委員長、各地見回りに参ります」
「ん、いいよ。ショバ代は僕が回収するから出すの渋ったら⋯⋯潰せ」
「はっ!!」

僕と草壁、その他2名引き連れてショバ代回収。
毎年恒例ながら、やはり渋る奴は居る。

「ま、待ってくれ!!払うから!!」
「遅い」

草壁に目配せし、潰されていく屋台。
そして金庫の中からショバ代を回収し、次の屋台に目を付ける。

「はぁ⋯⋯」

人が多い。
祭りだから仕方ないんだけど、暑いし群れてるし、蒸れるし、暑いし。
カッターシャツに汗が染み込み、億劫な気持ちになりながらも回収を続ける。

「来た!!」
「5万」

って、沢田綱吉とその取り巻き⋯⋯?
ああ⋯⋯屋台をしてるのか。

「雲雀さんーー!!?」
「テメェ、何しに来やがった!!」

煩いな。
さっさとショバ代出しなよ。

「活動費だよ、5万払わないと屋台を潰す」

チラッと後ろに目配せすると沢田綱吉達の視線がそちらに向き、特に沢田綱吉は驚いていたよ。実際潰してるからね。

「一つ忠告してあげるよ。ここら辺にひったくり犯が彷徨いてるらしい」
「え゛っ」

神社に戻る道中、並盛商店街の人達に食べ物を貰ったのだった。風紀委員の奴等の分も纏めてくれてるから元々用意してくれていたのだろう。父がこの辺で風紀委員長として牛耳ってた頃から助けられてたらしいから僕がその跡継ぎとして現れてから感謝される事が多い。

一応不良集団として名を轟かせてる以上、風紀委員の大半の奴等は気恥しいらしく未だに商店街の人達には強く言えないのだけど。

ーーあれは沢田綱吉?

「⋯みぃつけた」

神社の方に行くと噂のひったくり集団を見つけた。周りに見張りを張らせてた事から恐らく狙いは沢田綱吉か。

「嬉しくて身震いするよ⋯美味そうな群れを見つけたと思ったら、追跡中のひったくり集団を大量捕獲」
「雲雀さん!!」
「んだ、此奴は!!?」
「並中の風紀委員だ!!」

へぇ、多少僕の事は知ってるみたいだね?

「集金の手間が省けるし⋯君達が引ったくった金はそこの無重力と頂くからね」

そして赤ん坊の計らいにより沢田綱吉は死ぬ気状態に山本武や獄寺隼人が助っ人として現れたが殆ど僕が咬み殺した。

「これ、君達のでしょ」
「あっ、ありがとうございます!!」
「別に。それと、沢田綱吉⋯これから気を付けるといいよ」

Aの言葉に綱吉が困惑したのは言うまでもない。