僕は何者にも囚われない雲に…僕は雲雀恭弥成り代わり (ページ23)

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第６７話(訂正済み) ページ23

フィウミチーノ空港。
別名レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港に降り立った僕は待ち合わせしている人物を探す。

人が行き交う場所や日本からイタリアへの長旅の疲れもあり溜息を零すと⋯⋯。

「A」
「ロングだったから一瞬誰かと思ったし」
「久しぶり」

名前を呼ばれ振り返ると僕をここへ呼んだ張本人、ラジエルとベルフェゴールが居た。
因みに今現在の僕の姿は黒髪ロングヘアー、普段着ない淡いパステルカラーのチュニックワンピースに黒のレギンス、白の低めのミュールを履いており如何にも女ですと主張する格好だ。

「ししっ、変装かよ」
「さぁね」
「んじゃ、俺達が住んでる所に案内するぜ」
「は??」

ーー数時間の車の旅の末、辿り着いた場所は薄暗い森の奥に聳え立つ城。

「ただいまー」
「王子達帰ったのに出迎えも無しかよ」
「⋯お邪魔します」

一応入る訳だし礼儀はきちっとしないと駄目だろう。リビングと言うには広過ぎる部屋に通された僕。すると、キッチンから出て来たのは⋯⋯。

「んまぁ!!スクちゃんっ!!ジルちゃんとベルちゃんが女の子連れてきたわ!!」
「⋯え」

き、キャラが濃い⋯⋯。
控えめに言っても見た目は男心は乙女な人がクネクネしていると、ジルが「キメェ」と悪態をつく。

「う゛ぉぉぉい!!ジル、ベル!!何連れ込んでんだぁ!!」
「煩っ⋯」

あまりにも大きな声に顔を歪めると、最強の剣士スペルビ・スクアーロがそこに居た。

「お前は⋯」
「⋯⋯僕に会ったことあったっけ?」
「いんや、初対面だろ。あの鮫記憶飛んでんじゃね」
「ベル、テメェ⋯」

それより僕帰ってもいいかな。
真面目に疲れてるし寝たい。

「ムムっ、見知らぬ気配がすると思えば⋯ジルとベル、珍しく女連れ込んでるんだね」
「⋯赤ん坊⋯⋯」

あれが霧のアルコバレーノ、バイパー。
ぎゅっと幻術で隠しているおしゃぶりを握りしめる。

「君⋯幻術使いかい?」
「何言ってんだよ。マーモン、Aは一般人だし」
「そーそー」

あっっっっぶない⋯⋯!!
ジル達が庇ってくれてなかったら恐らく追求されていた。現に納得してない顔をしながらも深く追求するのを諦めたマーモンはふよふよと浮かんでいる。

なんやかんや部屋に案内してもらい、束の間の一息をついた僕は荷物を整理していると控えめなノック音が聞こえた。

「誰」
「僕だよ。君に聞きたい事があるんだ」

ーーやっぱり来たね、霧の赤ん坊。