81話。 ページ34
みさ「狩屋くん、本当にお腹痛かったのかな」
臨「さあな」
みさ「臨ちゃん、どうかした？」
臨「……さあな」
テンション低めの臨ちゃん。
どうしたのかな？
霧野より狩屋くんに来て欲しかったとか？
いやいや、実の兄をそんな無碍にするわけないよね。……じゃあ何だろう？
みさ「…………服が気に入らないとか？」
臨「いや、ちげーよ」
……即答いただきました……。
ﾌｪｲ「二人とも、早く行くよ」
みさ「はあい」
臨「おう」
西暦1427年のフランスにやって来たあたしたちは、ヴォークルールの近くにいるらしい(フェイ談)。
よく分からないけど、とにかくは森の中の開けたところにいる。で、今から森の中を散策するらしい。
酔いもマシになって、ワンダバスイッチで服も変えてもらって、臨ちゃんも一緒で。それは何よりなんだけど、けど。
……なんで今回あたしはスカートなんでしょうか！
天馬「本物の戦争だ……」
天馬くんの声にふり返ると、森の先、下の先の方で戦いのあとが見てとれた。死闘のそれにほど近い、そんな戦いが繰り広げられていたのがわかるほどの痛々しいあと。
……今回はそんな時代か。
みさ「こんな状況で、ジャンヌ・ダルクに会うの、難しくない？」
ﾜﾝﾀﾞﾊﾞ「ううむ……。ヴォークルールという町にいるはずなんだが……」
悩むワンダバを一瞥して、ぐるりと森を見渡した。誰か来てる、何かが擦れる音がする。
「誰だ！」
現れたのは鎧姿のおじさん。
剣の切っ先をあたしたちに向けて、反対の手で盾を構えている。あまり歓迎されている風ではなさそう。
みさ「臨ちゃん」
臨「なんだよ」
みさ「鎧の上から蹴りってきくと思う？」
臨「思わねぇしその暴力的な思考をまず勧めねぇわ……」
みさ「そっか……」
おじさん一人なら撃退できるかなと思ったんだけど、ダメみたい。まあそうか、ここで事を大きくしても意味ないよね。やめよう。
一人でうなずいていたら、神童が声を上げた。
神童「戦争から逃げているうちに、道が分からなくなったんです。ヴォークルールへ行きたいのですが」
嘘をつくんじゃない。
「お前たち、異国の者か！」
「ヴォークルールへ行きたいと……」
「まさか、ジャンヌを狙って！？」
もうっ、ほら疑われた！
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作者名：涼風すず、手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2014年8月26日 19時
