【イナズマ】 mondo impigliato 2 【コラボ】 (ページ28)

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75話。ページ28

あのあと、どうやっても攻めきれないでいた。

ゴーストミキシマックスは手強い。
それに、何故か神童がパスを回そうとしない。

アームドもミキシマックスもできない自分に
苛立っているのだろうか。

やがてそれは、信長さんの気に触れたようだった。

信長「神童拓人、これへ参れ！」

ピッチの外へボールが出たのと同時に、
信長さんが、そう声を荒げた。

グラウンド全体の空気が凍りつく。

そりゃそうだ。
あの信長さんが怒ってるんだ。

神童に何があっても不思議じゃない。

離れたところの臨ちゃんも、何となくソワソワしているようにも見えないこともない。

うーん、よく見えない。
……また視力落ちたのかな……。

信長「神童拓人、貴様の戦ぶりはなんじゃ。
我が方が押されておるのは、貴様のせいじゃ。

このまま軍勢の足を引っ張るなら
控えに下がるが良い！」

信長さんの言葉に、神童がうつむく。

何も言えないでいる神童をみかねてか、
藤吉郎さんが割って入ろうとした、その時。

赤い着物の女の子が、二人の間に滑り込んで三つ指をついた。

お勝ちゃんだ。

お勝「拓人様に、試合を続けさせてあげてください！」

無我夢中なんだろう、矢継ぎ早に言葉が紡がれていく。

声も若干震えていて、必死なのがひしひしと伝わってくる。

お勝「拓人様は、一生懸命サッカーの修練に
励んでおいでです。勝つために、昼も夜も」

ベンチで茜ちゃんがうんうん頷いてる。

二人とも見てたんだ。
神童ってばモテモテだなあ。

お勝「だから、拓人様に試合を続けさせてあげて下さいませ‼︎」

再び頭を下げたお勝ちゃんに、信長さんは表情を緩めて笑っていた。

嘲笑とかじゃなくて、あったかい笑い方。

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ああ、父さんの笑い方にそっくりだ。