73話。 ページ26
みさ「あたしがいく！」
前半。
先制点をプロトコル・オメガに許し、
それ以降あたしたちは防戦一方だった。
助っ人陣が怯えて動けないでいるから、
あたしたちが動き回るほかない。
大丈夫、体力には自信がある！
……心の中で、そう豪語してたんだけども。
みさ「う、きっつ……」
臨「ったく、なんだってこんな……！」
普通に息あがってます。
皆が皆、膝に手をついて肩で息をしてる。
どうにか前半は乗り切ったけど、このまま後半戦も、なんてのは無理だ。
それに何だか、臨ちゃんがさっきからイライラしてるみたいだし。
木下「後半の作戦を伝える」
皆の呼吸音に混ざって、藤吉郎さんがそう切り出した。
木下「攻めるな」
静かに言われた言葉を、天馬くんが訝しげに反復する。それに頷いた藤吉郎さんは、作戦の説明を始めた。
.
錦に代わって、仁悟くんがフィールドに入った。
藤吉郎さんの作戦、うまくいくかな。
みさ「まずは1点、だね」
剣城「はい」
隣の剣城くんがそう頷いたとき、
重いホラの音が鳴り響いた。
ベータ、エイナム、レイザとボールが繋がり
獅子丸君へとレイザが迫った。
獅子丸「いくぞぉ！」
気合十分の獅子丸君が、レイザに果敢に立ち向かう。かわされてはしまったものの、天馬くんが「いいぞ！」と声を上げた。
仁悟くんも、市正くんもかわされる。
けど、皆が声を上げて励ます。
いい雰囲気だ。
雰囲気におされて、怖がってた皆の動きが良くなっていくのがわかる。
五太郎くんもかわされ、最後の砦、太助くんが立ちはだかる。
……ああっ、最後じゃない。
臨ちゃんもちゃんといる。なんて心強い。
臨ちゃんが後ろにいるからなのか、太助くんが一気に突っ込んでいく。
そして、
太助「うおおっ」
見事に、スライディングでボールをフィールドから出して見せたのだった。
すごい！！
みさ「太助くん、すごいよっ」
天馬「やったじゃないか、太助！」
この1回のクリアは、あたしたちにとってはかなりの重みだ。大丈夫、ここから巻き返せる。
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作者名：涼風すず、手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2014年8月26日 19時
