60話。 ページ13
さて、桜庭による謎呼び出し食らった俺、霧野臨ですが。
建物の縁側にいます、桜庭と2人です。
いきなり「話したいことがあるの！」とか言われてもなあ。
何だってんだよなあ。
つってもまあこう言う場合、相場は決まってたりする。
クラスの女子なら愛の告白。
担任教師なら、掃除の時間に廊下で野球やってた件での説教。
桜庭みさなら……
何だ？
分からん。
あいつのことはさっぱり分からん。
何たって俺が女に見えるって子だ。
みさ「あのね臨ちゃん、話なんだけど」
臨「……おー」
みさ「真面目に聞いてっ！」
ごめん不真面目な男で。
いや女なんだけど。
この際正直に言ってしまおう。
苦手なんだよこー言う状況ッ!!
女子と!!
夜!!
2人っきりで!!
別にいいんだけどさみさだし!!
みさ「この前臨ちゃんに聞かれたけど、おじさんに邪魔されちゃったでしょ」
臨「……おじさん？」
みさ「人攫いのおじさん」
あーあんときか。
そういや俺、桜庭の正体が気になってたんだった。
戦国時代ごたごたしてて(主にお勝と言う恋敵出現による精神的ショックで)、すっかりどうでもよくなってたわ。
あーあれねー。
みさ「だから、あたしがどこから来たのかとか、ちゃんと臨ちゃんに説明しようと思って」
臨「ああー……うん、確かに気になるわ……」
気になるけど。
けど、それで、俺の目の前に仁王立ちして「話したいことがあるの」宣言しますか。
なんか違くね。
臨「え、で、結局何モンなの？ お前」
みさ「うん。
あたしね、実は元々の臨ちゃんがいた世界より、10年前の世界から来たんだ」
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作者名：涼風すず、手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2014年8月26日 19時
