59話。 ページ12
みさ「臨ちゃん聞いて！覚えたの、踊り！」
臨「あっそ」
みさ「冷たい！何で！」
日も暮れかけた頃。
踊りの練習を終えて臨ちゃんに話しかけるも
そのままぷいっと何処かへ行ってしまった。
話したかったのになあ、前に言いそびれたこと。
ほらあの、白鹿組のおじさんに遮られたあれ。
天馬「臨先輩と喧嘩でもしたんですか？」
みさ「してないと思う…」
横からぬっと天馬くんが顔を出した。
喧嘩したっけ？
みさ「あたし、臨ちゃん怒らせたのかな」
天馬「心当たりでもあるんですか？」
みさ「んー、全然ない」
天馬「えー…」
だって分かんないんだもんー、だもんー…。
いじけちゃうよ。
腕組みして考えていたら
ゆっくりと茜ちゃんが歩いてきた。
山菜「お豆腐、できたって」
みさ「わーいっ、お腹すいた！」
天馬「切り替え早いなあ…」
きっと臨ちゃんも中にいるだろうから、
話しかけるチャンスくらいあるはずだよね。
.
みさ「ねぇ臨ちゃ、」
臨「悪い拓人、豆腐を一切れとってくれ」
神童「ああ」
ぐすん。
みさ「臨ちゃん、あたしもお豆腐欲しいなぁ」
臨「…」
ぐすんぐすん。
みさ「こ、このお豆腐美味しいね〜っ」
臨「……」
うわあああん。
.
みさ「臨ちゃん」
臨「……」
みさ「臨ちゃんってば！」
臨「……あーもう何だよさっきから！」
やっと振り向いてくれた臨ちゃんに
周りの目も気にせず仁王立ちで叫んだ。
みさ「話したいことがあるの！！」
「はぁ？」と、臨ちゃんの素っ頓狂な声が飛ぶ。
天馬「先輩…？どうしたんですか…？」
みさ「どうもしてないよ。臨ちゃんに話があるの」
臨「…それ、今日じゃなきゃ駄目なのか？」
「面倒事は勘弁」とでもいいたげな臨ちゃんに
あたしは「うん」と大きく頷いた。
思い立ったが吉日だから、きっと今日がいいんだ。
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作者名：涼風すず、手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2014年8月26日 19時
