**。・-桜、咲く君。・**-【after word】｡:+*be in full blooming love｡:*+:｡

○O*.｡He's innermost feeling【all kazuki's side】 ページ21

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これはまだ、僕が物心付いて間もない、

小学校に入学するかしないかの刻(とき)…


僕は、兄とケンカしていた。


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和樹『うー…ぐっ、』


和『だからゴメンって…和樹』


和樹『お兄ちゃんが…僕の怪物くん壊したっ…兄ちゃんが…！』


和『ワザとじゃない、ちょっと手が滑っただけ…』


和樹『っ…』


和『…分かった分かった。ママに頼んで新しいの買ってもらえるように兄ちゃん話すから

今日のところは泣き止んでくれよ…な？和樹』


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我ながら、面倒くさい幼少期だったと思う。

これだけ駄々を捏ねる弟を、よく兄は見てくれたものだとも…常常感じる。

僕だったら無視し続ける、確実に(笑)



でも、今思えば結構、大事にしてたんだよなぁ…あの怪物くん。

父さんに初めて買ってもらえたヤツだったし。

他のおもちゃより断然、思い入れがあって。


だから余計に悲しかった。宝物がまた一つ無くなっちゃったみたいで…

変だよね、物理的にはまだあるのに。


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…そして、一向に涙を止めない僕を

いつも優しく宥(なだ)めてくれたのは

決まって『あの子』だった。


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和樹『…ふ、…怪物く…』


和『…和樹、』



*『和樹くん、私に少し貸してくれる？』


和『A』


和樹『……うん…』


*『ありがとう』


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恐る恐る、それを手渡すと

彼女は真っ白な包帯で

破損した腕の部分を巻き始める。



クルクル。


兄によって怪物くんに出来た傷は

瞬く間に…塞がれ、僕の元へ戻ってきた。


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『これでもう大丈夫だよ』


和樹『…あり、がと』


『もしまた、こんなコトがあったら私を呼んでね』


和樹『Aちゃん…』


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『すぐにお直ししてあげるから』


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単純かも知れない。


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でも、僕は彼女に惹かれていた。


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さり気なく、僕と兄の間を割って

またさり気なく、僕を助けてくれる…彼女に。


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…惹かれていたんだ。


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○O*.｡2→←○O*.｡4

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