ナンパ ページ22
A side
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今日は、大学の帰りに研磨と一緒にゲーセンに行くことにしたので、駅前で待ち合わせ。
イヤリングを左耳だけにつけて、パーカーとジーンズ。いつも通りすぎるね。
もうそろ来るっつってるからバンドリでもしてようか。
「ねえねえ、そこのお姉さん」
「…あ、私ですか」
「そうそう、ここ行きたいんだけどさ」
「あーはい、どこです、……」
言葉を失うよ。
だってラブホ街だぜ?何故男一人でそこに行こうかと思ったのか。
「……ここまっすぐ行って、二つ目を右に曲がって、すぐ左に曲がったらわかりますよ」
「あー、言葉で言われてもわかんないからさ、一緒に行ってくれねぇ?」
「はぁ…なら、地図でも書きましょうか?」
「いや、俺地図読めなくてさ」
というより、スマホはないのかこの人は。
……仕方ねえか、研磨にメールして…
「…A、誰その人」
「あ、研磨。結構早かったな。
この人ラブホ街行きたいらしくてさ、一緒に行って案内しようかと思ってたところ」
「………なんでそんなに鈍感なのかなぁ…」
「…まあ、だって私ってあれですし…」
「アレ?何かあるの?」
そう聞き返してきた男の人に笑って返した。
「左耳にイヤリングをつけてるっていうことは、女の人が恋愛対象なんです。
なので、貴方みたいな男の人には興奮しません。じゃ、失礼します」
左耳にイヤリング。
それは、恋愛対象が女の人だという証。
なのに最近はそういうのを知らない人が多くて困るなぁ。
こういうナンパとか断れないから、こういうので抵抗してるんだけど、違うの考えるかな。
「……ごめん、もっと早く来てたら…」
「いや、私もああいうの早く断れるようになんねぇとなぁ…研磨のせいじゃねぇよ。
早くゲーセン行くべ」
「お金使い切らないでね」
「気をつける」
新しいフィギュアが出てきたから、それ取りたいんだけど…。
「まあ、いざとなったら研磨が取ってくれるし」
「…ゲーセンでナンパされたらすぐ言ってね」
「了解」
まあ、それはねぇべ。
.
とか思ってた自分を殴りてえ。
研磨がトイレに行った時にナンパされるか!!そんなチョロそうか私!!!
「ほら、彼氏来ないじゃん」
「離してください」
「俺らと遊ぼうって〜」
「……触んな」
ポツリと零した言葉は聞こえなかったようだ。
ならばもう一度言ってやろうとした時。
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海石榴《ツバキ》(プロフ) - 今更感すごいですが、完結しましたね。お疲れ様でした!今日読んで今日ハマって今日読み終わりました!とても面白かったです! (2019年12月23日 23時) (レス) id: 906a0c9fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スアール | 作成日時:2019年1月7日 11時