swallow's cat (ページ15)

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15,リストバンドページ15

今日は一日練習だった。

真「よしっ、じゃあ今日はこれで終わり！」

それから皆片付けを始めた。
すると、私はベンチにあるものを見つけた。
それは、いつも哲人が試合中につける
赤いリストバンドだった。

あ(忘れ物かな？)

私が哲人のリストバンドをくわえると、
そこに谷内さんがやって来た。

谷内「あ、A。それ、哲人の？
哲人なら室内グラウンドの方にいると
思うけどな(^-^)」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

そう言うと、谷内さんは私を抱き上げて
室内グラウンドまでつれてってくれた。

谷「じゃ、あとは渡しといたげて。」

そう言われて私はリストバンドを
くわえたまま哲人を探した。

でも見当たらない。

あ「みーーっ(´・ω・`)」

すると＿＿＿＿＿＿

あ「みゃっ！！」(見つけた！！)

やっと哲人を見つけることが出来た。
哲人はグラウンドの奥の隅にある、小さな
ベンチの横にもたれかかっていた。

あ「みゃー」

私はリストバンドを哲人に渡しに行った。
でも、反応がない。タオルを被ってて、
顔もよく見えない。

あ「みゃ？」

ベンチに飛び乗って、耳をすませると、
小さな寝息が聞こえてきた。
どうやら休んでるうちに寝てしまったようだ。

あ「みゃーみゃっ(°▽°)」ﾍﾟｼﾍﾟｼ

一旦リストバンドを置いて、哲人を起こして
いるうちに、被っていたタオルが落ちた。

＿＿＿＿ドキッ、、、

タオルから急に表れた寝顔におもわず
ときめいてしまった。(←哲人なのに)
やっぱり女性ファンが多いだけのことはある。
男前だ。

でも、それと同時にその寝顔には
いつもの辛そうな表情はなくて、、、

なんだかその時だけ苦しさから解放
されているような顔にみえた。
頑張り屋の、ほんの一時の休息。

＿＿＿＿ねぇ、哲人。

お願いだから、無茶だけはしないでね。

いつも一番に朝早くから練習して、

本当に沢山の努力を重ねて、

周りの期待にも何とか応えようとして、

2年連続トリプルスリーまで達成して、、

もう十分頑張ってるよ。だから＿＿＿＿＿

"そんなに苦しまないで"

そう思って、私は哲人の顔を覗き込んだ。

未だに起きる気配はない。

"もう、無理はしないで"

そうして、私は本当に無意識に

哲人の横に傾けられた顔の唇に、

そっとキスをした。

→続きます