オサナナカノジョ【洲崎貴郁】 (ページ9)

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ﾌｽｯページ9

『人とか撮るのも楽しいけど…ゴシップ系の課に配属されて、なんか…っていうか、全然楽しくなかったんよ』

「…そうなん」

『あと…』

Aが俺を見て固まる

『…やっぱええわ』

真っ赤になったAがおもちで自分の顔を隠す

「え」

可愛いし気になる

お「わん」

いや、おもちはええねん

「なに？？気になる！！」

『…引かへん？』

「引かへんよ」

Aが俺のこと引くのはもう慣れたけど

俺がAのこと引くのは絶対ないから

『…また…すーを撮りたくなったから』

「え…」

Aが体育座りして、足の間に顔を埋める

髪が短いから、耳が真っ赤になっとるのがはっきり見えた

『テレビですー見て、やっぱ人撮るんやったら笑っとるのがええなって思ったんよ』

「…A」

『最初は広報希望しよかなって思ったんやけど、すーを撮るんやったら、まずすーがどんな仕事しとんかって知らなあかんなって思って』

「…めっちゃ俺のこと好きやん」

『あ～…』

Aが脚に頭乗っけたまま、俺の方を向いた

『ほんまやな笑』

無邪気に笑うAを見て、胸がキューってなる

…初めてAを好きになった時と同じ

Aすごいわ、ほんま

今またAを好きになったんは、多分こういうとこ

初めて会った時からAは何気ない仕草とか、言葉とかで

俺をドキドキさせてくる

Aの顔にかかった髪を耳元に持っていく

髪は耳にかからんから手は耳元に添えたまま

『…すー？』

「俺のこと好きなん？」

『…友達として』

Aが目線を逸らす

「どうしたら男として見てくれる？」

『え』

ちょっとずつ、顔を近づける

『ちょっ、すー近いって』

「…キスとかしたら、男として見る？」

唇が触れるまで、あと数センチのとこで

「んむっ」

『…』

Aの人差し指が口に当たる

　

　

「…」

『通報されたい？』

「幼馴染みを……？」

『え？あなた幼馴染みでしたっけ？』

「すいません！！！許して！！！！！」

『次しようとしたらまじで記者呼んでから通報する』

「悪質すぎる！」

『どの口が言ってんねん』

「すいません！！！」

　

　

　

お「くぅ～ん…」

『もう寝る？おもち』

お「わんっ」

なにが“くぅ～ん”じゃ

可愛こぶんなっ！

お前の本性はわかっとんやからな？！

Aが見えん角度でおもちが

お「ﾌｽｯ」

…今鼻鳴らしたな？！