わかっとるくせに ページ10
『じゃあ私らはベッドで寝るんで、すーは床かベランダで寝てな』
「俺だけ のけもの？！」
『そこなん？…嘘やん。ベッドで寝て』
「俺とAで寝るってことやなオッケー」
『ひとりで寝て』
えっ…？
「えっ…？」
『時差えぐっ』
「おもちだけずるい！」
『おもちは変 態じゃないから』
Aの胸の中でめっちゃしっぽ振っとるけど？！？
「Aと一緒じゃないと寝れへん」
『今までどうしてきたん』
「お願い！まじで！！28才最大のお願い！」
『さらっと年齢詐欺んな』
「おもちも俺が一緒がええって！」
お「(꒪꒳꒪)」
どんな顔やねん
『…わかった』
「え」
『もう眠いから寝るわ』
え？なにかどうわかったん？
Aが立ち上がる
『ほら、寝るんやろ』
「！ うん！！」
「…天国か…」
『は？』
Aの寝室…
「めっちゃAの匂い……」
『なにそれ。どんな匂い？』
「甘くて…俺を誘惑する匂い」
『…見て、これ』
Aが腕まくりして、細くて白い腕をさらす
『さぶいぼ』
「…」
ひどい
「ダブルなんや」
『うん』
…まさか……
「元彼…とか？」
『え？』
「一緒に寝たりした？」
『なんで？』
「…それやったら寝たないなって」
『…』
Aがおもちをベッドに乗っける
『何を想像しとんかしらんけど、この家に人入れたんすーが初めてやから』
「…えっ」
『最近引っ越したんよ』
「…そーなん……」
よかった〜…
『それに、ベッドと風呂は広いほうがいいって言うやん？』
「初めて聞いたわ笑」
『おやすみ』
「えっ、待って、もっと喋ろ！！」
もそもそベッドに入るA
俺も横に入ってAの方を向いた
Aは俺に背中を向ける
「A…」
『…なに』
「なんで嘘言わんかったん？」
『…なにが』
…わかっとるくせに
「俺がここで寝たないって言ったとき、元彼と寝たって言ったら俺ここで寝ぇへんかったよ」
『…嘘言ってもどーせバレるし』
「…そうなん」
昔からずっと一緒におっても、Aが嘘つくときの癖とかは俺にもわからんかった
…まぁそもそもそんなに嘘つかれたことないし
それをわかっとってそうやって言うってことは…
「…A大好き」
『…はいはい』
「おやすみ」
『おやすみ』
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作者名：まなか | 作成日時：2020年5月9日 11時
