弱者は弱者なりに努力してるんだよ (ページ6)

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5話ページ6

『でっかッ…』

私は優等生なので遅刻することなど全く無い。
ジーニアス魔法学園行きの転移ゲート付近で視力強化をした自分の目でプカプカと浮かぶ魔法学園(監獄)を見ている。

今更ながら浮遊島が丸ごと学校になってるなんて驚きである。
あそこに行けば転移ゲートでしか出入りできないから3年間はあの監獄に閉じ込められることになる。魔法が使える有能ども、金の価値もわかってないボンボン。理不尽の根源から絶対逃げ切れる自信がない。ここ死亡率2割だってさ。もう笑えよ。

人間族って脆いんだぜ？他の種族も大量に死んでるのに圧倒的弱者がここに来るとかエグない？うん。

目の前の封筒を再度見つめ、封筒の中に入っている入学許可証を取り出し再度ため息をつく。

私は今日何度ため息を付いたのだろうか。数えてないけど10回以上は確定だ。

しかし遅刻はまずいので、少し行列ができているところにちょこんと並ぶ。
行列を見れば、きれいな私服に身をまとった自分と年が同じくらいの人がたくさん並んでいる。わー、獣人族に妖精族に竜神族、鬼族に悪魔族に天使族。中にはパット見でわかる上位種もいる。あれ？私行きて帰れるのかな？？？

一応目をつけられないように私からしたら結構根が張る私服を購入した。【清浄】で体もきれいにしたし大丈夫大丈夫。

ーーーーーー

しばらく並んでいるとついに私の番が来たようで、高級ホテルのエントランスに居るような人が私に向かってにきれいなお辞儀をしてきた。

「はじめまして。ここはジーニアス魔法学園行きの転移ゲート前です。入学許可証を提示してください。」

『あ、どうぞ』

「……ワイズ様ですね。ご確認しました。こちらワイズ様の生徒手帳と身分証明証でございます。そしてこちらのジーニアス魔法学園専用のスマホでございます。取り扱いの説明は生徒手帳に記入されていますのでそちらでご確認ください。ではスタッフが転移ゲートまで案内いたしますのであちらへお進みください。」

専用スマホ？？？
何だそのお金持ってそうな単語は！！
スマホってあれだろ？5年前くらいに作られた小さな魔石に電子回路を組み合わせて小型のパネルにもかかわらず、遠くで話せたりゲームもできたりするあの！！
結構お高いのをもしかして入学した人全員に…？

いくら国から支援を受けているとはいえ私の顔が青ざめるのは当然のことだと思う。

空間が歪んだゲートへと足を進める

『わぁ…』

ここが、ジーニアス魔法学園！！