3話 ページ4
『ウ”…。酔った…。』
いやーこの5日間本当に地獄だった。
殆どの生徒は入学当日に転移ゲートで学園に向かうのだが、私はそうもいかなかった。
なぜなら金がないのだ。ｸｿｯ無理やり学園に入れるなら移動代くらい払ってくれよクソッタレ！
そんなわけで、魔力で動く船に、魔力提供をする代わりに安く乗せてもらえることになり、こうして現在船酔いしている。
というかずっと船酔いしてた。自作の回復系の薬を飲んでもいいのだが、それだと何度も飲まなければいけないのでやめておいた。自作だから市販の高い薬より効果薄いもん。
でも薬なんてだいたい貴族しか買わないくらいには高価だし、流石に買えないわ。
『えっと、体力回復の薬は…あったこれだ！早くのもっと…。…ｳ”』
うん。やっぱり効果重視で作ってるから美味しくない…。だって水属性の適正ないから効果重視でいかないと効き目がほぼ無いんだもん。まぁ、水属性より無属性のほうが使い勝手が良くて好きだけど。
『えっと、学園入学は明日か…。それまでにここらへんで情報収集でもしてよっかな？…ってｳﾜｯ！？』
「へッ。君みたいなちっちゃい子が一人で出歩いてるなんて…。お兄さんがかわいがってあげるからもう大丈夫だよ！」
はい。早速狂った輩に捕まったね。人攫いかな？ふーん。
こいつ足だけは速いのか、すぐに人目がないところまで私を担いで走っている。さて、めんどくさいな。
『お、お兄さん。なんでｯ、私ここやだ！帰りたいッ…』
「おーよしよし。泣かなくていいんだよ？ただお兄さんとずっと一緒に遊ぶだけだからね♡」
私幼児だと思われてるのか？これ？
まぁ、一旦私は弱いと思わせとこう。まぁ、もともと油断してるだろうしここは人目もない…。
相手は獣人。チーターってとこかな？別に足が速いだけで体力がめちゃくちゃ多いわけじゃないしそろそろバテてる。狙うなら今だね。
私は拘束されていない足に集中する。
【高加速】
頭の中でイメージを具現化させると、先程のこの男より素早く足が動く。そのスピードのまま、体を柔軟に動かし、男の鼻に私の高速キックが直撃した。
「ウ”…！このクソガキ！ってどこ行きやがった…」
皆さん転移ゲートは覚えているだろうか？あれは転移能力が使える多くの人たちが同じ箇所に転移の能力を固定して遠くに飛べる転移ゲートを作ることができる。そして転移の属性は無属性。
【硬化】
「ｹﾞﾌｯ」
『重力落下は流石に痛いよねw雑魚乙w』
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作者名：suuikuun | 作成日時：2022年11月27日 13時
