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『ねえお前今日の放課後空いてたりする？』
昼休み、Aはパンを齧りながらわざわざ後ろに椅子を向けて後ろの席のさとみに話しかけた。
「別に何も予定ないけど…なんで？」
『2人で遊ばん？と思って』
「は？」
さとみは過去1の間抜けズラをAに晒すことになった。
さとみが驚くのも無理はない。Aに遊びに誘われたのは初めてなのだ。
『何その間抜けズラ。きも。いやさー、お前、僕と確か家近かった気するし割と仲良い方だと思ってさ？2年目で初めての遊びですよ』
「なんで高二で2人で初めて遊ぶことになるんだよ…」
『お前呼びやめて名前で呼べって何回言えば分かるの？マジ脳死してるんじゃない？』
男女で遊ぶことに一切躊躇せす、それどころか暴言まで吐いてくるAにさとみは呆れた。
「黙れ。てかなんで付き合ってもないのに2人で放課後遊ばねえといけねえんだよ」
『あ、もしかして彼女いたりする？滅びろ』
問いに答えず真顔で普通に中指を立ててくるAにさとみは軽く頭を抱えた。
「お前本当…彼女なんかいねえよ。てか答えろ」
『お前と遊びたいから遊びに誘ったらダメなんでしょうか？』
Aは少し首を傾げわざとおどけて答えた。
自分の顔がさとみに負けず劣らず良いことを理解しているからだ。
「別にええけどさぁ…お前俺のこと誘うとかそんな友達いねえの？」
『あ？僕に友達居ないとかお前マジで夜道気をつけろよ。マンホールから僕が出てくるかもしれねえからな』
Aは陰キャでそれを気にしていたから半ギレでさとみのことを脅した。
しかしさとみは少し笑っただけですぐ反論した。
「ただの変態じゃねえかよ。てかどこ行くん」
『…クレープ屋？』
「お前本当に誘うやつ俺であってる？絶対間違えてるぞ」
眉に皺を寄せてツッコんださとみをAはニヤッとした。
『それが間違えてないんですよー。僕が誘ってるのはお前なんですよー』
「…」
『は？なんで黙るんだよふざけんな』
さとみがじとっとした視線を向けてきたのでAは照れ隠しで暴言を吐いた。
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