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いのちの咆哮が聞こえますか5-3 ページ29

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「ま、待って!」
「動かれるとお前を守れん。その場から離れるな。」
「…あぁ、私…は……っ。」

武器を出したタイミングで、ヒルチャールや遺跡守衛達が襲ってくる。この遺跡守衛達はきっと、お父様の人体実験の研究結果…。でも、そんなことよりも──弟のことが心配だ。

(あの時、私が女の子の手を…妹の手を拒んでなければ弟も妹も助けられたのかもしれない。)

目の前で戦っている3人も助けられず、妹も弟も守れない私に何の価値があるっていうの…。

『その場から離れるな』

(無理だよ…目の前に居た妹のことも拒否して、実験台になっている弟のことも守れなかった…。)

「7号。」
「…おい、アナスタシア!そいつから離れろ!」
「弟は妹に何をされているのでしょうか…。」
「何をとは…?遊ばせているだけだ…あの子には私の血がよく流れている。自分を真似て兄を可愛がってあげているんだ。」
「…お願いです、弟を…助けてください。妹にそんな酷いこと覚えさせないでください…。」
「…アナスタシアさん!そんな人の言うことを聞かないでください…!……っく!」

刻晴様や甘雨様、魈が私に対して何か言っているのが聞こえる。でも、今はそんなことはどうでもいい。

(弟が私と同じようになって欲しくない…妹に侯爵のようなネジの外れた考え方になってほしくない。)

私が経験してきたこと、見てきたことを…悲劇を繰り返してはダメなのだから。

「お前が邸宅に戻ったら…あの双子を解放してあげてもよい。」
「…っ!」
「どうした、出来ないのか?お前一人と妹弟二人と入れ違いで戻らせるんだ。愛らしい兄妹のため、出来るだろう?」
「…わた、しと…交代?」

あのような地獄を繰り返してはダメだ。それは分かっている。弟と妹には私と侯爵のようになってほしくない。

(結局は自分を優先してしまうの…?人の心は、妹や弟より自分が大事だと思ってしまうの?──そんなの思ってはダメ。)

「本当に…そうしてくれますか。」
「ああ…私はお前の身体(そざい)が必要なんだ。やってくれるな?」
「…妹と弟を助けてください。」

(私以外傷つかず、救う方法は…もうこれしかないの。)

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設定タグ:原神 , gnsn , ショウ   
作品ジャンル:ファンタジー
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天野アリサ(プロフ) - るさん» コメントありがとうございます…!前作から見てくださったのですね…!本当に感謝です…!今作も読んで楽しんで頂けたら幸いです! (2022年11月17日 17時) (レス) @page12 id: 08985c907f (このIDを非表示/違反報告)
- 前作から見ていました!今作も面白いものをありがとうございます! (2022年11月16日 19時) (レス) @page7 id: 1c00c5b49c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いるか | 作者ホームページ:   
作成日時:2022年11月14日 12時

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