飽く迄も一般人を貫き通す-参-

番外編:バレンタイン ページ42

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こっそり、隠密行動技術を駆使しながら

ポートマフィア組織内に設けられてる、私の作業部屋に鏡花ちゃんとやってきた。






シンク横の台に買ってきた材料を並べて、計量器やボウルの準備


鏡花ちゃんは生チョコ、敦君にはフォンダンショコラ

私は……ガトーショコラとチョコのマカロンを作ることにした。



鏡花ちゃんの質問に答えながら、私達は広い台所を

互いの領域として分けて、其々作業へ




私はガトーショコラの生地作りから始め

マカロンの方は粉砂糖やらココアやら、アーモンドパウダーやらを振るって皿に置いておく





生クリームをたっぷり混ぜこみ、ケーキ生地と云うよりは

生チョコの生地に近いガトーショコラを焼き上げる。


ケーキクーラーの上に乗せ、冷ます間にマカロンの方へ

クッキングシートの裏に、円を下書きして

生地を絞って焼き上げて……



ガトーショコラに粉砂糖を振りかけ、ホイップとミントを添えたら

保冷剤完備の箱に入れてラッピング



焼きあがったマカロンは、間にガナッシュを挟み、別のラッピング袋へ





鏡花ちゃんも生チョコを固め、フォンダンの方も焼きあがったようで

ラッピングし終えた後は、顔を合わせて微笑んだ。





泉「今日はありがとう

Aとお菓子作るの、夢だった」

『ううん、こちらこそ

ねね、このガトーショコラを探偵社に持って行って欲しいの』

泉「探偵社に？」

『うん、私も……少しお世話になったから』

泉「判った、持ってく」



鏡花ちゃんはコクっ、と頷いて

ポートマフィアを出て行く。



私はラッピングしたマカロンを入れた紙袋を片手に

もう一つのガトーショコラをエリス嬢へ届けるべく、首領の部屋へ向かった。









＊＊





『首領、エリス嬢へガトーショコラを作って参りました。』

森「矢張り仕事が早いね、ありがとう

これは後で私が渡しておくよ」





後で？

こう見えてエリス嬢の喜ぶ姿を見るのが楽しみだったりするんだけど……




『ええ……、直接渡したかったです……』

森「本題は違うのだよ、A君」

『はい？』





え？これが本題だろ？

私の休日を奪ったろ？ん？






森「改めて聞くけど、今日は何の日だったっけ？」

『バレンタイン……でしたね』

森「……ふふ、じゃあ早く行ってきなさい」






……。





『あっ……ぼ、首領ッ！！』

森「おや、顔が赤いよ？」









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