【QK】160cmのパーカーと179cmの身長。［第1章］

___ ページ31

・









現在時刻17:00。
今日は大学が一限だけだったので、クイズノックで仕事中だ。
そして…もう少しであいが帰って来る頃。

実は俺がいつも家にいるわけでないので、あいにはオフィスに帰ってきてもらって、それから一緒に帰宅するという形を取らせてもらっている。

今日は俺がもともとクイズノックにいるからすぐ帰れるな。いつも大学とかにいると帰り遅くなっちゃうんだよね。

そんなこと考えていると玄関を開ける音がした。


「あ、帰ってきたんじゃないですか？あいちゃん」
「初登校、どうだったんでしょうね」

山本と河村の言う通り、どうだったんだろう。ちゃんとクラスに馴染めたかな。
なんだか上手くいっている感じがしてそわそわした。


「…ただいま…」


が、期待とは裏腹に目線は下を向いていて足取りも重い。
何かあったのか…。心配だ…。


「おかえり。何かあったか？」


問いかけてみるも無言が続いてあいはストーブの前で教科書を読み始めた。
勉強がうまくいかなかったのか…クラスに馴染めなかったのか…。

はたまたいじめにあったとか？！
ペン取られたり…。あ、性別かなぁ。でもあいはどっちでもいいっていってるし…。
身長かなぁ。低いからナメられたりとか…。


「須貝さん須貝さん、顔に出てる」
「顔に心配って書いてある。浮き上がってる。」
「山本と河村…。あの様子を見て不安にならないのか？！」
「あーあ、これは親バカコースですね」

若干罵倒された……。
いや…本当に心配でならないし…

ストーブの前に座るあいの背中は丸まっていて、その後ろ姿は少し虚ろな感じがした。













・

___→←___

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す