亡き兵士の心臓が残したもの。【進撃の巨人】 (ページ11)

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リヴァイside

コイツを無理矢理連れて行く。

そして無理矢理鏡の前に座らせる。

まさか削がれると思ってんのか？

「まさか削がれると思ってんのか？」

『いえ、そんな事は。』

冷静だな

俺は手櫛で髪を整え、切り始める

チョキリ…チョキリ…チョキリ…

少し暗めの茶髪。

うなじが見え隠れし、白い肌が見える

…そういやコイツ、
非番なのにどこもいかねぇのか

「お前、非番なのにどこもいかねぇのか？」

『はい。町とかよりここにいるのが好きでして』

家は、と聞こうとして言葉が詰まった

あの時聞いたんだ

母親の12年束縛からようやく解放されて、
訓練兵になった

また、髪に手を通す

絡まる事もなく、落ちてく。

「…終わったぞ」

『…では』

ガタリと音がして、出て行った。

…辛い思いをしなきゃ、あんな
顔はしねぇ。

俺の脳裏にはしっかりと

あの夜ノアと話していた…

悲しそうなAの顔が焼き付いていた