検索窓
今日:16 hit、昨日:10 hit、合計:34,414 hit

50話 うつくしき人は寂として石像の如く ページ1

敦「・・・大丈夫?」

国木田「娘、黒幕の名を吐け。マフィアの舞台は蛇と同じだ。頭を潰さん限り進み続ける。

応えろ。お前の"上"は誰だ」



鏡花「・・・橘道の湯豆腐」


敦「へ?とうふ?」


鏡花「おいしい」


A「食べさせろって事?」


鏡花「食べたら話す」

敦「なあんだ、良いよその位」



国木田「・・・」

A「中島さん・・・」


敦「・・・え?」



〜〜〜



鏡花「おかわり」



次々と豆腐を平らげていく鏡花ちゃんに、中島さんの顔は絶望の表情になった。


敦「くにきださん・・・」

国木田「俺は払わんからな」



中島さん・・・頑張れ!



〜〜



国木田「それで?」


鏡花「両親が死んで孤児になった私をマフィアが拾った。私の異能を目当てに、【夜叉白雪】はこの電話からの声だけ従う。だからマフィアは」


国木田「それを利用して暗殺者に仕立てた、か」

敦「じゃあ携帯電話を捨てれば」


鏡花「逆らえば殺される、それにマフィアを抜けても行く所がない」



国木田「電話で、その夜叉を操っていたのは誰だ」

鏡花「・・・芥川と言う男」


鏡花ちゃんは哀しそうに答えた


国木田「・・・そうか。俺は先に社に戻って報告する。敦」


中島さんは国木田さんに呼ばれ、鏡花ちゃんと二人きりになった。


A「・・・」

鏡花「・・・」



気まずい・・・

どうしよう・・・何を話せばいいか分からない。



鏡花「ねえ」

A「!な、なにかな?」


鏡花「私は、六ヶ月で35人殺した・・・私、光を見ても・・・いい?」


そんな質問に、Aは顔色を変えずに答えた。


A「見ても、いいんじゃないかな」

鏡花「でも・・・私は・・・!」


A「確かに君は沢山の人の命を奪ってきたけど・・・それは君の意識じゃないでしょ?君はただ利用されただけ。

それでも自分が許せないのなら、沢山悪い事した分、沢山良いことをすればいい。君の力は人を助ける為にあると私は思う」


鏡花「・・・ッ!」


A「あ、えっと・・・!ごめん。分かったような口を聞いて・・・」



オドオドとそう謝っていると、鏡花は湯豆腐を茶碗によそい、Aに差し出した。


A「えっ・・・くれるの?」

鏡花「(コクッ」

A「・・・ありがとう」

 
少し彼女と距離が縮んだ気がした。

51話 うつくしき人は寂として石像の如く→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (70 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
152人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

meniichan(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうごさいます!これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします! (7月8日 23時) (レス) id: cbf4c75b89 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白いです!!!応援してます!! (7月8日 22時) (レス) @page50 id: ff465b59e9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:meniichan | 作成日時:2023年4月5日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。