50話 うつくしき人は寂として石像の如く ページ1
敦「・・・大丈夫?」
国木田「娘、黒幕の名を吐け。マフィアの舞台は蛇と同じだ。頭を潰さん限り進み続ける。
応えろ。お前の"上"は誰だ」
鏡花「・・・橘道の湯豆腐」
敦「へ?とうふ?」
鏡花「おいしい」
A「食べさせろって事?」
鏡花「食べたら話す」
敦「なあんだ、良いよその位」
国木田「・・・」
A「中島さん・・・」
敦「・・・え?」
〜〜〜
鏡花「おかわり」
次々と豆腐を平らげていく鏡花ちゃんに、中島さんの顔は絶望の表情になった。
敦「くにきださん・・・」
国木田「俺は払わんからな」
中島さん・・・頑張れ!
〜〜
国木田「それで?」
鏡花「両親が死んで孤児になった私をマフィアが拾った。私の異能を目当てに、【夜叉白雪】はこの電話からの声だけ従う。だからマフィアは」
国木田「それを利用して暗殺者に仕立てた、か」
敦「じゃあ携帯電話を捨てれば」
鏡花「逆らえば殺される、それにマフィアを抜けても行く所がない」
国木田「電話で、その夜叉を操っていたのは誰だ」
鏡花「・・・芥川と言う男」
鏡花ちゃんは哀しそうに答えた
国木田「・・・そうか。俺は先に社に戻って報告する。敦」
中島さんは国木田さんに呼ばれ、鏡花ちゃんと二人きりになった。
A「・・・」
鏡花「・・・」
気まずい・・・
どうしよう・・・何を話せばいいか分からない。
鏡花「ねえ」
A「!な、なにかな?」
鏡花「私は、六ヶ月で35人殺した・・・私、光を見ても・・・いい?」
そんな質問に、Aは顔色を変えずに答えた。
A「見ても、いいんじゃないかな」
鏡花「でも・・・私は・・・!」
A「確かに君は沢山の人の命を奪ってきたけど・・・それは君の意識じゃないでしょ?君はただ利用されただけ。
それでも自分が許せないのなら、沢山悪い事した分、沢山良いことをすればいい。君の力は人を助ける為にあると私は思う」
鏡花「・・・ッ!」
A「あ、えっと・・・!ごめん。分かったような口を聞いて・・・」
オドオドとそう謝っていると、鏡花は湯豆腐を茶碗によそい、Aに差し出した。
A「えっ・・・くれるの?」
鏡花「(コクッ」
A「・・・ありがとう」
少し彼女と距離が縮んだ気がした。
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meniichan(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうごさいます!これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします! (7月8日 23時) (レス) id: cbf4c75b89 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです!!!応援してます!! (7月8日 22時) (レス) @page50 id: ff465b59e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:meniichan | 作成日時:2023年4月5日 11時