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臆病な俺と、


勇敢なてつや。


てつやばっかり責めとったけど、


てつやはやっぱりすごい。


「本当のA」に、少しでも近づこうと歩み寄る勇敢さ。


好きにさせといて、それでも尚「俺は興味ない」で交わす。





女は皆ああいう男が好きだ。





俺はAの言う通りただのビビり。


愛が重いビビり。


最悪やん。


臆病でも手に入れたいと思った、俺が浅はかだった。


おこがましいよな、そんなの。


Aを手に入れられる男が、俺は心底羨ましい。









てつや「あー…としみつ、マジでごめん」


としみつ「何が?」


てつや「いや、Aのこと…怒っとるかなって」


としみつ「んなもん怒っとらんわあ」


虫眼鏡「珍しく上機嫌じゃんとしみつ。」


撮影日。


あれから数日経ったけど、なんかまだ現実味がなくて。


俺の方からAへの想いに終止符を打って決別する日が来るなんて夢にも思ってなかったから。


としみつ「普通普通。」


りょう「俺は怒ってるけどね。」


てつや「だからごめんって〜りょうさ〜ん」


てつやが気持ち悪い顔でりょうに擦り寄る。


りょうはそんなてつやを鬱陶しがりつつも、なんだか少し嬉しそうで。


しばゆー「何かあったの?」


としみつ「話せば長い。」


ゆめまる「ま、今日も平和だわこりゃ」


りょう「うん。としみつが怒らんの珍しいよね」


虫眼鏡「てつやとAはこれからも仲良しセ○レ?」


てつや「んなわけ!流石にそんなに女に困っとらんわ俺。」


ゆめまる「うわぁー腹立つ」


りょう「選びたい放題だもんねてつや」


としみつ「あーあ、俺も女抱こ。」


虫眼鏡「何それ、急に」


としみつ「別にー?」


りょう「もしかしてとしみつ!!あの後A抱いた??」


としみつ「抱いとらんわ!」


虫眼鏡「つまらんなー」


てつや「好きなのにもったいない」


としみつ「好きだからこそ!俺は抱かん!」


ゆめまる「なんじゃそりゃ」


しばゆー「もう撮ろうよ〜」


虫眼鏡「よし、撮ろう!」








臆病のままでも悪くない、なんて。


少し思っとる自分もおる。


あの場面で好きな女に手を出すような男に、俺はならん。


それが俺なりの勇気。






いつかこの恋を忘れて、


またどこかの誰かに臆病になる日を、






俺はただただ、待つ。






fin

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作者名:するめ長官 | 作成日時:2019年7月7日 16時

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