Crimson memory〜赤き記憶〜3rd

No.103 ページ8

後ろから美味しそうなカレーの匂いがした。

「できたで」

薫は草薙からカレーの皿を貰い、皆に運んいく。

「いい匂いだねぇ」

『うん。美味しそう』

「ふむ」

「これ、カレーか？」

「うん。なんか知ってるカレーとは違うよね？これカレールーじゃなくて、不思議な粉を調合してできてるんだよ。カレーっていうより、おカレー様って感じ」

「おカレー様て。あと不思議な粉言うな」

『不思議な粉の正体は香辛料って言う調味料の一種だよ。簡単に言えばスパイスだね』

「へぇーそうなんだ！物知りだね薫さん。じゃあ、いっただきまーす」

十束はカレーを口に入れて咀嚼し、飲み込む。

「美味いね！なんか特別な味がする」

『本当だ、凄く美味しい』

「……」

「まあ合格点かね」









草薙たち三人は皿を空にしたが、未だに食べている人がいた。

「「………」」

『……(もぐもぐ)』

「あ……あのー…薫ちゃん？」

『？(もぐもぐ)』

「これで六杯目やけど……まだ食うんかい？」

『うん(もぐもぐ)』

薫は一度、口の中のものを飲み込む。

『だって草薙さん作り過ぎたなってさっき言ってたよね』

「え、うん……まぁ」

『なら勿体ないし、私が食べてあげようかなって思って食べてたんだけど……もしかして、また…』

「そんなことあらへん！ただ、随分食べとるから心配だっただけやから。気にせんでええよ」

『そうですか。では、遠慮無く。……(もぐもぐ)』

「はぁ…まあ、晩飯も続けてカレーってのはつまらんか。食材あるか見てくるとするか」

「……キング、薫さんって大食いだったけ？」

「たまに、あいつはよく食う」

「凄いなぁ、薫さんって」

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