通り魔 ページ3
結局死ねなかった。
死のうと思うと突然怖くなる。
なんで…、生きてても辛いだけなのに。
神様。なんで私を殺してくれないの?
…え?
何?
誰かの、叫び声が聞こえる。
何が起きてるの?
…ナイフ。
血はついていない様で、ただギラギラと太陽光に反射して光っているだけだった。
つまり、まだ犠牲者は出ていない。
すぐになんとかすれば、犠牲者は出ないかもしれない。
でも、その前に。
逃げなきゃ。私が、死ぬ。
周りで誰かが逃げろと叫んでいる。
分かってる、でも足が動かないんだ。
なんで。
脳はそうやって考え続けているのに。
私の足は全く動こうとしない。
嫌だ、死にたくない。
さっきまで死にたいと思っていたのが嘘の様で。
嗚呼、もう。
___ナイフがお腹に刺さった。
痛い、痛い痛い痛い痛い!!!
思わず叫びそうになる様な痛みが襲ってくる。
ナイフが抜かれて、私は地面に倒れ込んだ。
隙をついて誰かが通り魔を捕まえる。
誰かが私に声を掛け続ける。
それももう聞こえなくなってきた。
嫌だ、死にたくないよ。
ねぇ、神様!
なんで私、死んじゃうの?
死にたくないよ!
貴方が願ったのでしょう?
通り魔でもいいから殺して欲しいと。
そう、私の知らない声で聞こえた気がした。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←屋上
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:否/すらーむすら | 作成日時:2019年4月9日 19時