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つまりは、
「グループ発表のパワポを私が作ってる。」
『やあば。なんで引き受けちゃうかな〜』
って、私以上に頭を抱える優斗。
なんで優斗がそうなのよってね。
「困った顔されちゃうとさ。」
『まずね、明日親戚が来るから無理って
そんなに優先させなきゃいけないか?
法事ってわけじゃないんだろ?』
「そうは言ってなかったけど。」
『だよなあ!バイトもずーっと入りっぱなしな訳あるか。
どんなブラックバイトだ、あなたがやってるのは。』
「7連勤って相当だよね〜」
それっぽく聞こえるような適当な相づちしかできない。
顔をうっすら赤くして、
私の代わりに怒ってる優斗の優しさというか、共感能力というか。
それがすごく、妙に私を冷静にさせてくれる。
『っていうかさ。
後回しにしないで、先にやっとけよ!
そこだよな!今日できただろ!』
「そこですね。異議なし。」
涼「おまたせ〜」
瑞「席ありがとう」
「授業おつかれさまです。」
『おっつ〜』
あれから私たちはときどき一緒にごはんを食べたり、
遊びに行くようになってた。
あのときよりも話せるようになって。
優斗の友達だもん、すごくフレンドリーで話しやすい。
瑞「今日もやってるね、大量じゃん。笑」
「これも自分の勉強なの。」
『コイツ、3人分のパワポを引き受けちゃったんだってさ。』
瑞「ドMなのか、バカなのか。」
「バカってひどくない?」
涼「じゃあドMだね。」
「それも違う!」
薄々気付いてたけど、瑞稀くんはドSだ。
真顔で辛辣なこと言うし、
爽やかな笑顔でど直球ドストレートを投げてくる。
瑞「あんまり自分のこといじめるから、
ドMなのかなと思っただけだよ。」
『それをあと1日で、って無理しすぎなんだよ。
正直厳しいだろ?』
「…うん。」
『今日バイトないっしょ。
俺も手伝うよ。』
「いや、でも、」
これは私の課題な訳で。
優斗に手伝ってもらうのは申し訳ない。
『これ1人でやるには徹夜確実だぞ?
いつも教えてもらってるお礼だよ。』
確かに優斗の言う通り。
明後日までにパワポと発表用のレジュメを作るのは
無謀だと思う。
「お願いします。」
『よし、任せろ!』
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作者名:しんくれろ | 作成日時:2019年3月20日 19時