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ごはんの後片付けを手伝っているとき、
「ありがとうね、片付けしてくれて。」
今一番2人になりたくないおばさまの声。
用意していただいているのでこれくらいは、
って、どこにでもあるようなパッケージ化したやりとりをする。
「お受験成功したとき、Aちゃんすごいなって思ったのよ。
涼介も負けてられないって。」
私は渇いた笑いしか返せなかった。
予想がついたから、
今おばさまが何を言いたいのか。
こんなところでも感じてしまう。
私も大人になったんだなあって。
これを言うためだけに私のところに来たのかな。
はあ、さすがだなあ。
「でも高校受験は大変そうだったわよね。
大学受験も。Aちゃんならもっと良いところ行くと思ってたわ〜」
これまたドストレートにきた。
やっぱり作り笑いしかできない。
「何か困ったことがあったら、涼介を使ってね。
あれでも一応M大だったし、
Aちゃんより一足先に社会人になってるから。」
M大。
私よりも良い大学だし、
それなりに名の知れてる企業に就職したもんね。
涼介くんは優秀だ。
頑張ってるところを間近で見てきた。
それに比べて私は…
やっぱり私は落ちこぼれで、
スタートダッシュだけ、たまたま成功したんだ。
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作者名:しんくれろ | 作成日時:2019年3月20日 19時