3.魔法薬学の質疑応答。 ページ3
スネイプ先生がハリー・ポッターに差し向けた、ちくちくとした意地悪。もっと言いようもあったでしょう。けれど、それはとても貴方らしい。
授業を聞いていなかったから、って言ったって、事前に予習をする勤勉さんなんて居るほうが珍しいのに。
「…ミス・A。」
「はい、先生。」
彼に名指されて、どきどきしながら立ち上がる。
スネイプ先生の視線が私を貫いて──ああ、もう、どうしようもなく緊張する！
「同じ質問をしよう。アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になる？」
「とても強力な眠り薬が出来ます。“生ける屍の水薬”と呼ばれ、薄めずに使おうものなら…一生、眠り続けてしまうとか」
「ふむ。では、ベゾアール石を見つけてこいと言われたらどこを探すかね？」
「山羊の胃の中を。萎びて茶色く、石というより干涸びた内臓の様な見た目で…大抵の毒薬に対する解毒剤になりますが、かなり手に入りにくいとか。有用性と希少価値は比例しますね」
「まったくだ。モンクスフードとウルフスベーンの違いは？」
「呼び名は土地に依って異なりますが、同一の植物でトリカブトのことを指します。東洋では漢方薬の材料としても使われているそうです」
「漢方…そうか、ミス・Aは東洋の出身だったか。一度そちらにも見聞を広げたいところだな」
「ふふ、先生が作る薬ほど効果の高いものなどないでしょうに、何をおっしゃいますやら」
「ふ…我輩などは、まだまだ未熟だとも。それでは最後だ、A。安らぎの水薬とはどういった効能の薬だ？」
「不安を鎮め、動揺を和らげる薬です。…しかし、薄めずに使おうものなら、例に依って深い眠りに、そうして、そのまま…。薬は毒に、毒は薬に。作り手を選ぶとはまさにこの事ですね」
「よろしい。君のような優秀な生徒が我が寮に来たことは実に喜ばしい…スリザリン、十点加点だ」
「ありがとうございます！」
やった、先生に褒められた…！勉強していた甲斐があった、とそっとガッツポーズ。満足感で心も身体もぽかぽかさせて、私は着席する。
凄いじゃないか、と同じスリザリンの寮生に褒められて照れつつも、やっぱりスネイプ先生に褒められるのが一番嬉しい、なんて強欲なことを考えた。
やっぱり、魔法薬学を一番に頑張ろう。後は、薬繋がりで薬草学。それと私の得意分野で飛行訓練。
…他は、まあ。どれもそれなりに。スネイプ先生が関わりそうなら頑張ろう。
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HarukiTakuya070(プロフ) - 面白いです！早く続きが読みたいです！更新楽しみに待ってます。 (2018年4月18日 4時) (
レス) id: 53d7f5d75e (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ(プロフ) - 薫さん» コメントありがとうございます！話の進み自体はあまり早くないですが、ゆるりとお待ちいただければ幸いです。応援ありがとうございます！ (2018年3月24日 17時) (レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
薫 - この小説めっちゃ好きです！更新頑張ってください！応援しています！！ (2018年3月24日 16時) (レス) id: 79dca58f54 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ(プロフ) - pinoさん» コメントありがとうございます！今作のコンセプトは悪人として書かれることの多いスリザリンの“スリザリンらしからぬ一面”なので、物足りないと思われるところも出るかと思いますが、応援していただけると嬉しいです。ありがとうございます！ (2018年3月23日 23時) (レス) id: d58c85b228 (このIDを非表示/違反報告)
pino - めっちゃおもしろいです！スリザリンが好きなので、こういう作品が見れてとてもうれしいです(*'ω'*)応援しています、頑張って下さい！！ (2018年3月23日 21時) (レス) id: 7b560042ba (このIDを非表示/違反報告)
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