15.たとえ貴様らがどうとほざけど。 ページ15
「…スネイプ先生。先生は、彼女の家の人間をご存知なんですか。」
「…知っているとも。彼女の家に学校説明に行ったのは、我輩ですからな。」
ドラコの声が硬い気がする。怒って、いるの？
先生のローブから出ようとしたけれど、先生の抱き込む力が強くて抜け出せない。
「では…先生。参考までに、彼女の家の人間に何を言われたのか、お聞かせいただいても？」
「ふむ…色んなことを言われましたからな。何から話せば良いやら」
ブレーズの声が刺々しい。やっぱり怒っている。
…でも。その矛先は、私じゃ、ない？どうして。さっきの先生の言葉で、私がマグルの親を持っていることくらい、彼らなら気付けているはずなのに。純血主義が多いスリザリンでは、そういう存在は──穢れた血として、蔑まれていたはずだ。
だから私、彼らにそれを言い出せなくて。だから、それを話すってなったときに、嫌われると、思っていて。それなのに彼らは、私を怒らないの？
「“この子は天才だ”“魔法使いにはこの子がなるべきだ”“この子ならきっとホグワーツに貢献できる”“ソレは駄目だ”“出来損ないの恥さらしだ”“ソレのせいで私達は余計な恥を掻いた”“ホグワーツに行けばきっと何かをしでかすに違いない”」
…先生が読み上げるように淡々と連ねた言葉は、あの日、両親が本当にスネイプ先生に投げかけた言葉だ。先生には恩義を感じている。しかしそれと同時に、私は先生に罪悪感を覚えていた。先生にはご迷惑を掛けてしまった。私の家に来たばかりに、嫌なものを見せてしまった。
誰かが舌打ちをした。ローブに包まれた現状、外の様子は何も窺えない。…けれど、ここは、とても落ち着いた。先生の体温、先生の心臓の音、先生の匂い。何も見えないからこそ、よりはっきりと感じるそれ。先生の手はまだ、私の頭に乗せられたまま。
「サイッテー…。」
パンジーの声には苛立ちが滲んでいた。それをぐっと堪えているような、煮え滾る怒りを、腹の中に蓄えているような。
「……それで？スネイプ先生は、そいつらにどう、言ったので？」
「どうもこうも。“天才だろうが優秀だろうが、魔法使いの素質がなければ無意味である”と。」
セオドールまでこんな状況下で口を開く。普段物静かな彼が、こんな、目立つような行動を。
けれどスネイプ先生のその言葉に、誰かが笑った。一人二人、三人四人。少しずつ輪が広がっていった。
『流石は我らがスネイプ先生だ！』
16.その優しさに尊敬の意を評して。→←14.努力家少女の“トラウマ”。
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HarukiTakuya070(プロフ) - 面白いです！早く続きが読みたいです！更新楽しみに待ってます。 (2018年4月18日 4時) (
レス) id: 53d7f5d75e (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ(プロフ) - 薫さん» コメントありがとうございます！話の進み自体はあまり早くないですが、ゆるりとお待ちいただければ幸いです。応援ありがとうございます！ (2018年3月24日 17時) (レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
薫 - この小説めっちゃ好きです！更新頑張ってください！応援しています！！ (2018年3月24日 16時) (レス) id: 79dca58f54 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ(プロフ) - pinoさん» コメントありがとうございます！今作のコンセプトは悪人として書かれることの多いスリザリンの“スリザリンらしからぬ一面”なので、物足りないと思われるところも出るかと思いますが、応援していただけると嬉しいです。ありがとうございます！ (2018年3月23日 23時) (レス) id: d58c85b228 (このIDを非表示/違反報告)
pino - めっちゃおもしろいです！スリザリンが好きなので、こういう作品が見れてとてもうれしいです(*'ω'*)応援しています、頑張って下さい！！ (2018年3月23日 21時) (レス) id: 7b560042ba (このIDを非表示/違反報告)
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