14.努力家少女の“トラウマ”。 ページ14
「それに比べて、私はっ…！」
大して可愛くない、頭だって良くない、運動神経が唯一の取り柄だったけどそれさえ幼い私の頭では使いこなすことも出来ずに怪我をする。使いこなそうとする度に失敗ばかり。
沢山両親に迷惑を掛けた。
姉と両親の仲睦まじい姿が脳裏を過ぎる。とても、とても羨ましかった。
「私も沢山本を読んだの、沢山本を読んで勉強して、頑張ってあの人に追いつこうとして、褒められたくて、だけど、どれだけ勉強したってあの人には敵わなかった、私が勉強しても勉強してもあの人は私の先に居た、」
私が何回も何回も失敗した末にようやく成功させたことさえあの人は一度目で成功させた、両親があの人を見るのは、あの人を褒めるのは当然のことだった。
「羨ましかった、愛されたかった、でも、私がどれだけ勉強しても、努力しても、両親にとって私は、駄目な子で、出来損ないで、ごみ、くずでえっ！」
ぼろぼろと涙が溢れ出る。零れて、零れて止まらない。
子供みたいに泣きじゃくって、拭っても、拭ってもキリがない。
お父さんとお母さんの罵声が頭の中を暴れ回る、お父さんとお母さんから与えられた痛みが肌に甦る、痛い、痛い、何もかもが、頭も身体も、
ああ、気が狂ってしまいそう。
「い、痛い、やだ、ごめんなさい、ごめんなさい！私もっと頑張ります！私もっと努力します！勉強沢山します、良い子で居ます、邪魔にならないようにします！」
褒めてくれなんてもう言いません、私にそんな資格はありません、殴られても文句なんて言いません、罵倒も罵声も当然のことです、
だから、お願いだから、
「産まなきゃ良かったなんて、言わないでぇ…っ」
「A！！」
強く腕を引っ張られ、視界が真っ暗になった。草花の匂い。力強い腕が、私を抱き込む。
先生の、ローブの中。
「……せん、せえ、」
「…しっかりしろ、馬鹿者が。」
お前はあの家で唯一の魔法使いだろう。
先生のその言葉にまた涙が零れて、先生の背中に腕を回してぎゅうとしがみつく。先生の大きな手が、私の頭を撫でてくれた。
「…第一、あれを本気で非の打ち所がない人間だと思っているなら、お前もどうかしている。」
「、う…？」
「性格が頗(すこぶ)る悪い。ホグワーツの教師に色仕掛けをしようなどと、正気を疑う」
ああ、そんなことも、あったか。
先生の物言いが可笑しくて、心臓がじわりと熱を持って、私は先生に額を押しつけた。
15.たとえ貴様らがどうとほざけど。→←13.彼女の過去を抉じ開ける。
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HarukiTakuya070(プロフ) - 面白いです！早く続きが読みたいです！更新楽しみに待ってます。 (2018年4月18日 4時) (
レス) id: 53d7f5d75e (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ(プロフ) - 薫さん» コメントありがとうございます！話の進み自体はあまり早くないですが、ゆるりとお待ちいただければ幸いです。応援ありがとうございます！ (2018年3月24日 17時) (レス) id: 63aaeb6f7a (このIDを非表示/違反報告)
薫 - この小説めっちゃ好きです！更新頑張ってください！応援しています！！ (2018年3月24日 16時) (レス) id: 79dca58f54 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ(プロフ) - pinoさん» コメントありがとうございます！今作のコンセプトは悪人として書かれることの多いスリザリンの“スリザリンらしからぬ一面”なので、物足りないと思われるところも出るかと思いますが、応援していただけると嬉しいです。ありがとうございます！ (2018年3月23日 23時) (レス) id: d58c85b228 (このIDを非表示/違反報告)
pino - めっちゃおもしろいです！スリザリンが好きなので、こういう作品が見れてとてもうれしいです(*'ω'*)応援しています、頑張って下さい！！ (2018年3月23日 21時) (レス) id: 7b560042ba (このIDを非表示/違反報告)
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