キスしないと出られない部屋 中編 ページ5
その空気に当てられ、何か言おうと口から出てきた言葉は、
「……別に、いやってわけじゃ、ないけど」
というものだった。
バカか、バカなのかボクは、と今までに類を見ない程取り乱しながらツッコミを入れてくる心中の自分を、今の所は無視しておくことにする。
「……！！」
モニカの返答に、エルナの表情がぱぁっと華やぐ。
モニカは、どうしたものかと考えを巡らせ、ようやくエルナと目線を合わせた。
「……少し、顔上げてくれる？」
「わ、分かったの」
エルナは、モニカの指示に従い顔を上げる。
そして、モニカはエルナの長い前髪をかきあげ、額に口づけを落とした。
「…………」
数秒経ち、モニカは涼しい顔で唇を離した。
至って平常心だ。これくらいで良いだろう。
しかし。
「の？モニターのランプが光ったの」
『ちゃんと唇にしてください』
「部屋のシステムにダメ出しされたのっ！」
「そもそもどこから見てるのさっ!?」
二人して悲鳴を上げる。
エルナが少しばかり頬を染め、おでこはノーカウントみたいなの、と呟いた。
『ついでに言いますと、制限時間が残り三分を切っております』
「時間無いじゃん」
モニカがいささか焦ったようにエルナを見ると、エルナはぐっと親指を立てて言った。
「い、いつでも！どんと来いなのっ」
「今日のキミ、テンションおかしくないっ？」
意気込むエルナを落ち着かせるように、肩に手を置く。
「……良いの？ほんとにするけど」
「ん……もちろんなの」
こうなれば自棄だ。
引くに引けず、一瞬躊躇ったあと……
「…………ん、……」
唇を合わせる。やってしまった。
頬にかぁっと血が集まる。
たまらなくなって薄目を開けると、至近距離で懸命に目を瞑るエルナがいて。
くらりと目眩がして、身体の中で何かが溶ける音がした。
キスしないと出られない部屋 後編→←キスしないと出られない部屋(モニカ×エルナ。モニカ視点)前編
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亜月 - カレンさん» 読みましたよーーー！！！最後！！最後の挿絵、、、、 (2021年12月9日 11時) (
レス) id: 1f8ff7c796 (このIDを非表示/違反報告)
カレン - pixivから飛んできました！めちゃくちゃ尊いです... ちなみに亜月さん6巻読みました...？ (2021年11月24日 21時) (レス) id: aacf8bdcb4 (このIDを非表示/違反報告)
亜月 - おぉー！ありがとございます、、グレーテ×ティア読んできました！ (2021年5月16日 15時) (レス) id: ae5d374ab3 (このIDを非表示/違反報告)
あも - 亜月さん» エルナとクラウス……！！ほんとうにかわいいです、なんかモチベになりました(あ) (2021年5月15日 15時) (レス) id: e2902b121b (このIDを非表示/違反報告)
亜月 - 遥世さん» あぁぁぁありがとう、、そうなんですよ、ジビアさんイケメンに書けるよう頑張りました！ (2021年5月2日 21時) (レス) id: 9200735183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜月 | 作成日時：2021年3月6日 20時
