スパイラル[後編]

おまけ K ページ48

とある日、二階堂に呼び出されサウナに行くことになった。


太輔に伝えると快く送り出してくれた。
太輔の嫉妬の矛先は、タマと横尾さんと、なぜか大倉。
その他の人との約束は快く送り出してくれる。
束縛されるのが苦手だと思っていたのに、太輔だと嬉しくなるのは依存に近いのかもしれない。
毎日ホントに愛してるって思われてると自分でも思うから。



「話って何？」
「んー、あのさ」


幸いにもサウナには俺と二階堂しかいない。
呼び出される時に、相談したいことがあるという言葉が入っていたから。それを切り出した。



「･･･俺、運命の人見つけたかも」
「お！良かったじゃん」



そう言えば、最近の二階堂はあまり遊び歩いていない気がする。思い返せば…
申し訳ないことにあまり気にしてなかったけど。



「ありがと。それでね、相手なんだけど」
「あー、お前割と面食いだし…可愛い子なんだろーな」
「･･･それがさ、･･･」



言いづらそうに言葉を飲み込む二階堂。
しょうがないからアシストしてやるか。


「相手の人は恋愛禁止･･･とか？」



アイドル・･･･には手を出すなと言っていたのに。
溜息がこぼれそうになるのはなんとか飲み込んだ。



「あ、いや･･･まぁ禁止っちゃ禁止なんだけど」



やっぱりな。言葉を濁す二階堂の背中に腕を回し大丈夫だからと伝えてやる。
とりあえず公にはバレないように･･･
っと相手の人があざとく何かしでかさないように助言しようとした時、
耳を疑う言葉が入ってきた。



「相手は、千賀なんだよね…」
「あー、そうなんだ･････････って、え？」



二階堂の口から紡がれた言葉は千賀の名前。
･･･は？



「いやね、俺もね？そんな気なくてさ。あんまりにもしつこくて牽制のために手を出しちゃったのね」
「･･･ダメだろそれ」


ってか待て。
その前に千賀って二階堂のことが好きなのか！？
そんなこと･･･あいつ、
いや、何度がそう言えば、『俺も頑張ろ』的なこと言っていた気もする。あれは俺とタマが再び付き合うと行った時と･･･太輔と付き合うことになったと言った時、だった。
頑張ろって･･･二階堂とのこと？二階堂へのこと？あいつ二階堂のこと好きだったの！？


「ダメだよなー。分かってたんだけど。」
「で？」
「よすきて。そっちの相性が･･･それでその･･･」
「好きになったと？」


単純な奴･･･
でも、その表情は本当に愛しそうだった。

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