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楽屋に戻った後、すぐに宏光と早く帰ろうと準備をしていた。
ただ、宏光はマネに呼ばれて今は席を外していない。
そんな中、鞄の整理をしていたオレの元にタマが歩み寄ってきた。
「ガヤ、この後仕事ないよね?」
「…?ああ。ないけど」
タマと話すのは少し緊張してしまう。
罪悪感がない訳じゃない。何も知らず接してくれる玉森に本当に申し訳なく思う。
急なタマの問いかけに疑問に思いながらそう答えた。
「予定はある?」
「あるよ」
ごめん、タマ。
オレの中で一番最も大切な予定。
「その予定30分でいいんだけど、ずらせない?」
「わりい。難しいかも」
何よりも優先したい。
「お願いだから。本当に少しでいい。オレに時間をちょうだい」
いつもなら空気を読んでサッと引くタマが珍しく思う。
本当に大切な用事なんだと察し、承諾の意味をこめ頷き笑った。
「ありがとう」
宏光に伝えなきゃいけない。
玉森と名前を出すと、何事かと心配をかける可能性がある。
「ちょっとスタッフさんとこ行ってくるから待っててくれる?」
「いってらっしゃい」
急いで楽屋を出て宏光のいるだろう場所に向かおうとすると、途中で丁度宏光に会った。
「太輔?」
「宏光、」
「丁度よかった。今、雑誌の編集の人からマネに連絡あってさ、この後どうしてもドラマの取材をしたいみたいで…家行くの一時間くらい遅れそう、一緒に帰れないわ」
なんてタイミングなんだろう。宏光は心底嫌そうに眉を顰めていた。
「そっか、待ってるから、大変だけど頑張ってな」
「はーい、」
唇を尖らせてご機嫌斜めなこの子を離したくないとやっぱり思ってしまう。
渉に言われたのに、宏光の幸せよりも自分の幸せを優先してしまう自分は本当に浅はかだと思った。
(タマの話は一体なんだろう…)
もしかしたら、宏光のことを相談されるのだろうか。自分はそれにどうやって返せばいいのか。
そんな不安がポツリと襲った。
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もも(プロフ) - スケベ面さん» スケベ面さん はじめまして!お話読んでくださりありがとうございます!中編が見えないのですね<(_ _)>すみません、フラグを立てていますので年齢の関係かと思われます。大変大変申し訳ございません(><) (2018年7月11日 6時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
スケベ面(プロフ) - 前編を読ませていただきましたっ切なくて続きが見たいのですが作者様の全作品を見させていただいたのですが前編後編しかありません(><) (2018年7月10日 8時) (レス) id: 909d98024f (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん 終わってしまいました(´・・`)本当にご覧頂きありがとうございます!ハラハラさせてすみません<(_ _)>疲れますよね!笑 こちらこそ幸せを感じて頂けて光栄です。本当にありがとうございました! (2018年6月3日 1時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - あ〜〜終わってしまいました。ずっと切なくてハラハラして。。藤北玉の3人の純情が苦しくて幸せを祈りながら読んでおりました。2人が幸せになれて本当に良かったです!こちらまで幸せになれました。ありがとうございました。次のお話しも楽しみにしております! (2018年6月2日 23時) (レス) id: c46653f4f4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶぃ〜さん» ぶぃ〜さん 久しぶりにリアルな二人をご覧頂いたんですね!恐縮です。ありがとうございます!お話に入り込んで頂けたなんて嬉しいです(/ω\)本当にこちらこそありがとうございました! (2018年6月2日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年5月27日 14時