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121 F ページ21

「わ、渉?」


渉に腕を引かれながら楽屋を出るが、少し歩いて尚も渉は何も話さずオレの腕を離さない。
渉に問いかけると、渉は止まり振り返った。



「太輔。さっき何を言おうとした?」



振り返った渉の表情はとても冷たく、背筋を凍らせる。


「え…」



渉の言っていることが理解出来ず、いつもは頭の回転が割と早い自分でもフリーズする。




「あの場面で、太輔は俺もミツが好きだって言おうしていてたでしょ?俺が悪いって言おうとしてたでしょ?ミツが取られたくないから」
「な、んで、」



渉は知っている…?
オレと宏光の関係も、自分が先程しようとしていたことを。



「太輔はミツが好きでミツを守ってるつもりかもしれないけど、結局は太輔のエゴだって気付いてた?」
「、エゴ…」
「今だってミツが辛そうだったから言おうとしたんじゃない。ミツを取られたくなかったから裕太に言おうとした。違う?」
「、」
「気持ちをミツに伝えた時も寂しそうなミツを救うためじゃない。自分がミツを手に入れたかったからだ。ミツが浮気をすることで自分を責め辛い思いさせるなんて考えてなかっただろ?」
「…、」
「太輔は、ミツのためだと言って結局は自分のためにすべて壊したんだ。目先のことしか見ずに。ミツは裕太と過ごしていても充分に幸せだったのに・・それを壊したのは太輔だ。」



渉の視線が突き刺さる。何も言えなかった。何も話していないはずの親友からの的確な指摘に手も足もでない。なんで渉は知ってる?
オレの気持ちがバレてた?
二人のことも・・・?
そして指摘されたことについては・・・気付かなかった。いや気付かないフリをしていたのかもしれない。
玉森と過ごしていても充分北山は幸せだった…
それを壊したのは自分。
自分のエゴだ……



「親友として言うけど。太輔が本当にミツのこと大切に思っているなら、ミツを解放してあげて」



それは二人での生活を終えるということ?
もう、大丈夫だよ、と宏光を抱きしめてあげることも。美味しいよ、と宏光の作ったご飯を食べることも。愛してるよ、と宏光にキスすることもすべて、出来ないということ。
自分のエゴで宏光を苦しめた。
宏光、好き。愛してる。
だから、さよならをすべきなのかもしれない。



−タマがさ、2年目記念日に旅行行こうって///



北山は、ずっとちゃんと玉森のこと愛していた。オレがそれを邪魔したんだ。ごめん、宏光・・・
違う、ごめん・・・北山。

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もも(プロフ) - スケベ面さん» スケベ面さん はじめまして!お話読んでくださりありがとうございます!中編が見えないのですね<(_ _)>すみません、フラグを立てていますので年齢の関係かと思われます。大変大変申し訳ございません(><) (2018年7月11日 6時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
スケベ面(プロフ) - 前編を読ませていただきましたっ切なくて続きが見たいのですが作者様の全作品を見させていただいたのですが前編後編しかありません(><) (2018年7月10日 8時) (レス) id: 909d98024f (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん 終わってしまいました(´・・`)本当にご覧頂きありがとうございます!ハラハラさせてすみません<(_ _)>疲れますよね!笑 こちらこそ幸せを感じて頂けて光栄です。本当にありがとうございました! (2018年6月3日 1時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - あ〜〜終わってしまいました。ずっと切なくてハラハラして。。藤北玉の3人の純情が苦しくて幸せを祈りながら読んでおりました。2人が幸せになれて本当に良かったです!こちらまで幸せになれました。ありがとうございました。次のお話しも楽しみにしております! (2018年6月2日 23時) (レス) id: c46653f4f4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶぃ〜さん» ぶぃ〜さん 久しぶりにリアルな二人をご覧頂いたんですね!恐縮です。ありがとうございます!お話に入り込んで頂けたなんて嬉しいです(/ω\)本当にこちらこそありがとうございました! (2018年6月2日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もも | 作成日時:2018年5月27日 14時

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