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「玉森、俺は…」
北山がそう言って玉森の服の袖を軽く掴んで引っ張ると玉森を見る。
「ミツ、愛してる。メンバーの前で誓うよ。もう二度とお前を寂しくなんてさせないから」
玉森は北山が否定の言葉を言うのさえも遮り、言わせなくする。
北山は優しい。それは玉森が一番分かっていた。ここまで皆の前で宣言すれば、北山は拒絶出来ない。出来るはずがない。それを知っていた。
北山は何も言えず、やっとここで藤ヶ谷に目をやった。藤ヶ谷は俯いていて、北山を見ていなかった。
(太輔っ…)
朝はあんなにも近かったのに。自分と太輔はどんなに愛し合っても公言できる関係じゃないんだ…こんなところで思い知らされる。
今すぐに玉森の腕を振り払い藤ヶ谷の元へと走れたらどんなに楽だろう。
そう北山は思っていた。
「なーんだ。もうやっぱりただの痴話喧嘩だったんじゃん。二人、ラブラブじゃん」
二階堂は北山の気持ちを知っているのに知らないフリをする。平和を望んで。
−世界中敵に回しても、宏光だけがいてくれればオレは生きていける。
「タマ、オレ、」
藤ヶ谷は無意識に玉森を呼んだ。藤ヶ谷の急な大きな声に楽屋が静まる。
「ん?なに、ガヤ」
藤ヶ谷の気持ちなど何も知らない玉森は藤ヶ谷に笑いかけた。
「オレも、オレは「おはよう」」
藤ヶ谷が言いかけると、楽屋のドアが開く。何とも言えぬタイミングで横尾が入ってきた。
楽屋が再び静まる。
「何やってんの、みんな。衣装に着替えてメイクしなよ。まぁ今来た俺が言うことじゃないけど」
その静まりの中、横尾は何も知らないため淡々とそう述べた。
…何も知らない?
「あっ、太輔。さっきメイクさんに会って俺と太輔先に来てだって。」
「あ、うん、」
「、渉待って。ガヤさっき何言いかけたの?」
横尾を遮り、玉森が藤ヶ谷を問いかける。当然だ。気になるだろう。
「裕太、とりあえず、仕事優先だから。後にして。行こ、太輔」
しかし横尾はやっぱり遮って、藤ヶ谷の腕を引き、来たそうそう楽屋を後にした。
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もも(プロフ) - スケベ面さん» スケベ面さん はじめまして!お話読んでくださりありがとうございます!中編が見えないのですね<(_ _)>すみません、フラグを立てていますので年齢の関係かと思われます。大変大変申し訳ございません(><) (2018年7月11日 6時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
スケベ面(プロフ) - 前編を読ませていただきましたっ切なくて続きが見たいのですが作者様の全作品を見させていただいたのですが前編後編しかありません(><) (2018年7月10日 8時) (レス) id: 909d98024f (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん 終わってしまいました(´・・`)本当にご覧頂きありがとうございます!ハラハラさせてすみません<(_ _)>疲れますよね!笑 こちらこそ幸せを感じて頂けて光栄です。本当にありがとうございました! (2018年6月3日 1時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - あ〜〜終わってしまいました。ずっと切なくてハラハラして。。藤北玉の3人の純情が苦しくて幸せを祈りながら読んでおりました。2人が幸せになれて本当に良かったです!こちらまで幸せになれました。ありがとうございました。次のお話しも楽しみにしております! (2018年6月2日 23時) (レス) id: c46653f4f4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶぃ〜さん» ぶぃ〜さん 久しぶりにリアルな二人をご覧頂いたんですね!恐縮です。ありがとうございます!お話に入り込んで頂けたなんて嬉しいです(/ω\)本当にこちらこそありがとうございました! (2018年6月2日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年5月27日 14時