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143 T ページ43

「裕太の好きにして」



ミツは諦めたように、優しい瞳に変わり抵抗をやめる。オレを押し退ける力がなくなり、
ムカついて唇を塞いでも抵抗しない。
でも、いつもと違うのは、開いてる隙間から舌を絡めても。絡め返してくれない。ただ、されるがままのようで。余計に虚しくなる。
そんな首筋に吸い付いてシルシをつけても甘い声を出してくれない。
以前は可愛く可愛く鳴いていたのに。たま、好きだよって。紅く染めてハニカミながら。いつからこんなに歯車が狂った?一緒にいれば戻ると思った。触れれば解決すると思った。なんで…
離れた期間なんて、少しだろ?一瞬だろ?今まで築いてきた時間に比べれば本当に。今までは何だったの?
気づいたら自分の瞳から次々と涙が零れ、ミツの頬へと落ちつづける。
そんなオレの頭を撫でるように、ミツは抱きしめる。いつも背伸びをしてた。ミツの前ではカッコよくいたくて。年上のミツを守りたくて。頼って欲しくて。お兄さんなミツに追いつきたくて。
でも、結局はミツの優しさに漬け込んでしまう。甘えてしまう。


「なん、で…?将来一緒に外国で過ごそうって、約束したじゃん、ずっと一緒にいたじゃん。」
「・・・ごめんな」
「それを、なかったことにするの…?オレの未来をミツは奪うの..?」
「・・・」
「お願い…この前も言ったけど、愛してくれなくていい、一生。ガヤを愛してていいから。ミツ以外いらないからそばにいて」


懇願するようにまっすぐ見つめる。


「裕太はそれで、ホントに幸せ?俺は..お前といても、きっと藤ヶ谷のこと考える、そしたら…また裕太は今日みたいに辛くなるだろ?」
「・・・・・・っ」


ずるい。ミツは。
情事中しか呼ばない名前で呼んできて。
諭すように見つめてきて。
本当にこの手を離さないといけなくなる。
この大切な手を二度も離さないといけなくなる。



「もう、戻れない。俺は裕太が好きだった俺じゃないんだ」




ミツがそう言った瞬間、チャイムの音が聞こえた。
多分、その相手は決まってる。
さっきソファーに置いた時、わざと通話ボタンを押したから。
急いで、姫を助けに来た王子ってところだろう。
俺はこの大切な姫を攫われる悪党なのか。
クッパは悪党なのか?
クッパ側からすればマリオも悪党じゃないか?
見る立場によってそんなの違う。


チャイムの音に反応しないミツに、
最後だから・・・と思い触れるだけのキスをした。

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もも(プロフ) - スケベ面さん» スケベ面さん はじめまして!お話読んでくださりありがとうございます!中編が見えないのですね<(_ _)>すみません、フラグを立てていますので年齢の関係かと思われます。大変大変申し訳ございません(><) (2018年7月11日 6時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
スケベ面(プロフ) - 前編を読ませていただきましたっ切なくて続きが見たいのですが作者様の全作品を見させていただいたのですが前編後編しかありません(><) (2018年7月10日 8時) (レス) id: 909d98024f (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん 終わってしまいました(´・・`)本当にご覧頂きありがとうございます!ハラハラさせてすみません<(_ _)>疲れますよね!笑 こちらこそ幸せを感じて頂けて光栄です。本当にありがとうございました! (2018年6月3日 1時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - あ〜〜終わってしまいました。ずっと切なくてハラハラして。。藤北玉の3人の純情が苦しくて幸せを祈りながら読んでおりました。2人が幸せになれて本当に良かったです!こちらまで幸せになれました。ありがとうございました。次のお話しも楽しみにしております! (2018年6月2日 23時) (レス) id: c46653f4f4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶぃ〜さん» ぶぃ〜さん 久しぶりにリアルな二人をご覧頂いたんですね!恐縮です。ありがとうございます!お話に入り込んで頂けたなんて嬉しいです(/ω\)本当にこちらこそありがとうございました! (2018年6月2日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もも | 作成日時:2018年5月27日 14時

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