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「俺さ昔大好きな人がいてね、守りきれなかった。まだ子どもで、事務所には勝てなかった。ずっと後悔してる。その子が俺を裏切った時何で一方的に責めてしまったんだろうって、もっと話を聞いて分かってあければ良かったって今なら言える。」
「・・・」
「太輔はもう大人でしょ?守る力あるよね?」
「…守る力・・・」
守る力はある。それは、自分の力。
北山を想う力。
渉の真摯な話に心が揺らぐ。
「正直俺はさ。ミツが誰とくっつこうがどうでもいいんだ。」
「渉…?」
「ただ、ミツには笑っててほしい。グループらしく元気で仲良くいたい。それだけ」
「ありがとう、わた」
「お腹すいたね」
「はいはい、王子、ご馳走させて頂きます。」
「カレーかなぁ…」
「蕎麦にしよーよ!」
「却下」
「渉、でも…」
「…分かってる。今日はご馳走我慢するよ」
「わたっ!ありがとう!」
今日どうしても行きたい。
今日どうしても行かなければ後悔をする。
玉森との約束を破ってしまうことになるだろう。悪いのは全て自分だ。…そう。最初から自分が悪いと分かっているのだから今更優等生になる必要はなかったのかもしれない。
人は見えないところで皆が過去を抱えてる。それはアイドルであってもサラリーマンであっても学生であっても。子どもであっても、みんな今があるのだから過去がある。
過去に一度も後悔したことがないと胸をはって言えるような人はおそらくいない。
そういう人は生粋のプラス思考の持ち主か薄っぺらい人生かのどちらかだ。
本気で生きていれば何かしら後悔はある。ただ、後悔だけでは成長に繋がらない。その後悔をどのように繋げるかで後悔は後悔という名ではなくなるのだろう。それを自分の一部にすることが出来る。
今日という日も明日には過去だ。この瞬間だって。
なら、自ら後悔する選択はしたくない。
したくない。
宏光はもう玉森の方がいいのかもしれない。ずっと付き合っていたのだから当たり前だ。
自分から手離したのだから嫌われて当たり前だ。宏光はあんなにも離れたくないと言ってくれていたのに。
だけど、自分から手離したままなんて死んでも死にきれない。
気持ちを伝え、どうせならフラれたい。
逃げるのと砕けるのでは結果が同じだとしても全然違う。
「いってらっしゃーい」
背を向け走り出す。
そしてスマホを手にとり、ずっと残っているリダイヤルを押した。
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もも(プロフ) - スケベ面さん» スケベ面さん はじめまして!お話読んでくださりありがとうございます!中編が見えないのですね<(_ _)>すみません、フラグを立てていますので年齢の関係かと思われます。大変大変申し訳ございません(><) (2018年7月11日 6時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
スケベ面(プロフ) - 前編を読ませていただきましたっ切なくて続きが見たいのですが作者様の全作品を見させていただいたのですが前編後編しかありません(><) (2018年7月10日 8時) (レス) id: 909d98024f (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん 終わってしまいました(´・・`)本当にご覧頂きありがとうございます!ハラハラさせてすみません<(_ _)>疲れますよね!笑 こちらこそ幸せを感じて頂けて光栄です。本当にありがとうございました! (2018年6月3日 1時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - あ〜〜終わってしまいました。ずっと切なくてハラハラして。。藤北玉の3人の純情が苦しくて幸せを祈りながら読んでおりました。2人が幸せになれて本当に良かったです!こちらまで幸せになれました。ありがとうございました。次のお話しも楽しみにしております! (2018年6月2日 23時) (レス) id: c46653f4f4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶぃ〜さん» ぶぃ〜さん 久しぶりにリアルな二人をご覧頂いたんですね!恐縮です。ありがとうございます!お話に入り込んで頂けたなんて嬉しいです(/ω\)本当にこちらこそありがとうございました! (2018年6月2日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年5月27日 14時