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なんでここにいるの…?
服も昨日朝に着ていたもののまま…
探してくれたの?
頭の中が混乱している北山は藤ヶ谷をただ呆然と見た。どう見ても本物で。
「……ん…」
北山が見ているとムクッと藤ヶ谷がゆっくり動き出した。その表情は眠たそうで。すごく穏やかで。
「おはよ…宏光」
すべてを包みこんでくれる。
「・・・どうして」
「あ…オレ、寝ちゃってたんだ」
北山の言葉には返さず、そのまま自分の身なりを確認すると藤ヶ谷はそう呟いた。
「なんでここが分かったの?なんで入れたの?」
昨日家に帰ると北山は藤ヶ谷に一言も言っていないし、この部屋はオートロックで鍵が締まってるはずで。合鍵なんて持ってるはずもなくて。
「家に帰っていなかったから、ここにいる気がして。チャイム鳴らしても出てこなくて…心配だったから大家さんにお願いして入れてもらったんだ」
そうやってハニカんで言う藤ヶ谷が北山は本当に愛しくなる。疲れてる中こんなにも自分を探してくれて。
「無事でよかったよ。宏光」
その笑顔は宝物。おかしいくらい君が好き。
「たいすけっ」
北山が藤ヶ谷に抱き付くと藤ヶ谷は北山を抱き締め返す。
「何かあった?何でも言って?覚悟は出来てるから」
自分の気持ちを我慢せず藤ヶ谷には話せる。話してはいけないことかもしれないけど…誰かに言わなきゃ北山は壊れそうだった。
「ニカと…喧嘩した…」
北山は泣きながらそう藤ヶ谷に話した。藤ヶ谷は頷きながら北山の頭を撫でたり北山が苦しくならないように、ゆっくりすべてを聞いた。
その北山の話は本人は気付いていないが、完全に藤ヶ谷への愛の告白で。不謹慎にも藤ヶ谷はやっぱり頬を緩めてしまう。だけど、北山が心から苦しんでいるのが分かり、何とかしなければという決心も強く抱いた。
「宏光、大丈夫だよ。二階堂が宏光を嫌うなんて絶対にあり得ない。今まで辛かったな、気付けなくてごめんな」
何より気付くことが出来ず北山をここまで苦しめていたという事実に藤ヶ谷は自分が許せなかった。
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もも(プロフ) - スケベ面さん» スケベ面さん はじめまして!お話読んでくださりありがとうございます!中編が見えないのですね<(_ _)>すみません、フラグを立てていますので年齢の関係かと思われます。大変大変申し訳ございません(><) (2018年7月11日 6時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
スケベ面(プロフ) - 前編を読ませていただきましたっ切なくて続きが見たいのですが作者様の全作品を見させていただいたのですが前編後編しかありません(><) (2018年7月10日 8時) (レス) id: 909d98024f (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん 終わってしまいました(´・・`)本当にご覧頂きありがとうございます!ハラハラさせてすみません<(_ _)>疲れますよね!笑 こちらこそ幸せを感じて頂けて光栄です。本当にありがとうございました! (2018年6月3日 1時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - あ〜〜終わってしまいました。ずっと切なくてハラハラして。。藤北玉の3人の純情が苦しくて幸せを祈りながら読んでおりました。2人が幸せになれて本当に良かったです!こちらまで幸せになれました。ありがとうございました。次のお話しも楽しみにしております! (2018年6月2日 23時) (レス) id: c46653f4f4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶぃ〜さん» ぶぃ〜さん 久しぶりにリアルな二人をご覧頂いたんですね!恐縮です。ありがとうございます!お話に入り込んで頂けたなんて嬉しいです(/ω\)本当にこちらこそありがとうございました! (2018年6月2日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年5月27日 14時