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分かってて、ここに来た。
今更、自分から来て拒否するだなんて…そんなこと許されない。
玉森への罪悪感がない訳ではない。だけど今、頭の中は目の前にいる藤ヶ谷でいっぱいだった。
それほどに玉森の行動に傷付いていた俺には藤ヶ谷の行動が薬となっていた。
ゆっくりと目をとじる。
目を閉じると余計に敏感になってしまう、身体。
頬に温もりが触れる。
藤ヶ谷の大きな手がまるで宝物に触れるかのように俺の頬を包む。
鼓動が早くなる。
「ん、」
そのまま目を閉じ待っていると、頬から温もりが離れ、髪を撫でられていた。
「…ふじがや、?」
不思議に思い目を開け真っ直ぐ見ると、鼻先には藤ヶ谷の顔があった。
「…っ……!」
目を丸めてビックリする。
「何してるの」
「…いてっ」
そして、藤ヶ谷は俺のおでこに軽くデコピンをかわし片目を瞑り痛がる俺を見てくくっと笑いを我慢した。
「うっ//////」
藤ヶ谷が自分にキスをするつもりじゃなかったと知った俺は恥ずかしさから、そんな藤ヶ谷をパシッと叩いた。
「キスなんかしないよ?」
叩かれたところを撫でながら藤ヶ谷が言う。
「………っ」
「オレたちは仲間だろ?」
「藤ヶ谷、……」
「北山が寂しい時に頼れる存在にはなりたいとは思ってるけど」
凛としている藤ヶ谷の横顔を見て頬は熱くなる。
足をパタパタさせて唇を尖らす。
「そうだよな、藤ヶ谷は俺のこと好きなのかなぁって勘違いした。恥ずかしっ。悪かったな、」
おかえりって迎えてくれた時、嬉しかった。だけどあの真意はただの仲間愛だと知り、ほっとしたのと同時にずきんと胸が痛むのを奥で感じた。
気づきたくないのに、気づいてしまう。
自分がショックを受けていることに。自分には玉森がいるのに…
「好きだよ、だって仲間だろ」
「だなっ」
仲間・・・
それ以上の感情はないと、線を引かれる。
そんな線に寂しくは思うけど…
どこか安心をしている自分もいた。
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NAO(プロフ) - コメント失礼します!以前も感想書かせていただきました。ももはさんのお話どれも素晴らしいです!毎日の癒しです!ツイッターフォロー申請しました!よろしければフォロバお願いします! (2019年6月21日 0時) (レス) id: e2b95f4647 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - あらキスさん» はじめまして。ありがとうございます☆はい!御報告が遅くなりすみません。初めのタイトル説明で入れたつもりが抜けていたことに気づきまして<(_ _)>この曲が大好きで、聞いた時のイメージをFさんたちに置き換えて描いちゃいました。見届けて頂けますと幸いです☆ (2018年5月25日 8時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - みかんさんさん» はじめまして!コメントありがとうございます☆どのお話も読んでくださり時間を割いて頂きありがとうございます!少し今作は長くなりご迷惑をおかけします。毎日更新できればと思っていますので、お暇な時お付き合い頂けると嬉しいです!宜しくお願いします。 (2018年5月25日 8時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ちゃきさん» はじめまして。コメントありがとうございます☆玉北さん推しなんですね。私も二人のホンワカ大好きです。このお話ではそのホンワカさが足りないかましれずすみません( .. )そうなんです!Tさんは想っているんですが。見届けて頂けると幸いです。宜しくお願いします。 (2018年5月25日 8時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 倉北大好きさん» はじめまして!コメントありがとうございます☆全部読んでくださってるなんて!嬉しすぎます。お時間を割いていただきありがとうございます!スパイラルは少し長くなってしまう予定ですが、完結に時間はかからないと思いますので、お付き合いいただけると嬉しいです! (2018年5月25日 8時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年5月22日 8時