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廉side
息が荒い。
傘をたたんで、ドアを叩く。
.
走って来たせいなのか、
それとも緊張しているのか、鼓動の音が聴こえる。
しばらくして、彼女が出てきた。
A「はい」
か弱く、消えてしまいそう。
細くて肌が白い。
.
目が合って、オレだとわかると
困惑した表情を見せる。
A「どうして…」
震える声。
赤い目。
オレが帰った後に泣いたんだろう。
.
すぐ泣いてばかりで、
だけど一人で現実を背負い込もうとして。
A「どうして戻ってきたんですか」
せっかく泣き止んだばかりだっただろうに、
今にも泣きそうだ。
理性と感情が混ざって、彼女の腕をひく。
ゆっくりオレの胸の中に埋まるA。
.
A「え…」
そのままぎゅっと強く抱きしめた。
前は抱きしめられなかったけど、
今くらい抱きしめさせてほしい。
.
廉「傷つけてばっかでごめん」
節度を保とうとしても無理なんだ。
廉「Aがだれを好きだったっていい。それで苦しんでたっていい。でもAがそこから抜け出したいなら、オレはいくらだって手を差し伸べる」
.
間違っていてもいい。
似た者同士の二人にしかわからない苦しみ。
.
廉「だから一人で抱え込まないでよ。Aの苦しみが収まるならいくらだってオレ、Aのそばにいる。一人じゃないから。Aはなんにも悪くないから。オレがいるから」
.
そばにいることしかできない。
でも苦しみはそんなことでも救われると信じながら、もうどうすることもできないこの感情を、
二つの胸の鼓動の中に押し込んだ。
.
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ジェンガ(プロフ) - 岩瀬紫耀さん» ありがとうございます！気づくのが大変遅くなりごめんなさい…なるべく早く次の話をあげられるように頑張ります！ (2018年7月29日 14時) (
レス) id: 3ce0492d1e (このIDを非表示/違反報告)
岩瀬紫耀(プロフ) - この作品すきです！ 続きがきになります がんばってください (2018年4月26日 6時) (レス) id: bb863aa5bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジェンガ | 作成日時：2017年11月11日 22時
