【V4L0】この世界の楽しみ方。

#14 ページ14

*


目が覚めると病院にいた。

家ではない自分に少し戸惑ったが、すぐに自分が倒れたことを思い出す。


はっとしたが勢いよく起き上がる力なんてない。


うっすら目を開けると、そこには意外で、あまり良い思い出はない人がそこにいた。


『……』

まだ喋る元気もない私はぼーっとその嫌なシルエットを視界にいれる。


何をしに来たなんて予想はついている。


目の前にいるそいつは、私の意識があることに気づくとゆっくり口を開いた。


＿＿＿＿＿


「A…、ホント、無理しないでね」

『私もちょっと反省しました…w 頑張りすぎも良くないですね』


一時は意識がなく、目覚めても喋れなかったが、
私はだいぶ元気になって退院の目処もついてきた。


毎日のようにお見舞いにやってくるおじじ。

忙しいはずなのに、申し訳ないな…。


私が入院中、いろんな人がお見舞いに来てくれた


Meiyくんやぽぽはもちろん、ZETAのみんななどVALOで仲の良い人たち
OW時代のうるかさんやta1yoさんなど、いろんな人が来て
韓国のAstellやまんちなどはdiscordで連絡をくれた。


あれ、私めっちゃ心配される倒れ方したんだな。

公式にも体調不良の発表があったらしくファンからも大量のDMが来ていて
大丈夫ツイートにもたくさんのリプがついた。

みんなありがとう。そしてごめん。

そんなことをずっと思っている。


『私役に立ててるんですかね…』

こんなようなことを私は散々言ってしまっている。

倒れた挙句、しばらく大会にも出られない。

多分もうMasters1はお休みだろう。


迷惑極まりないことをしてしまっているのが本当に申し訳なくて、自分を責めていた。

おじじやみんなは「なんでそんなこと言うんだ。役に立ってるわ」と言うけど、
自分の不甲斐なさと、情けなさに罪悪感が止まらない。


ごめんなさい。

ずっと思っている。

VCTで勝ち続けるCRを見て、私は嬉しくもあり、寂しくもあった。


“もう、このチームに私は必要ない”


そんな考えが私にはあった。


『ねえ、おじじ』
「はーい」


私はとうとう切り出した。


いつかこんな日が来ると思っていた。

みんなごめんね、でも今が潮時。

neth、私は君から離れるよ。


君、私が目覚めてから、一回も顔見せてないよね。

怒らせたよね、ごめん。当然のことだよね。


『お願いです。CRをやめさせてください』

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